Tmorrow will take care of itself

□A little detour
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4月22日 放課後

黒いフードを目深に被った詩和依は、数人の不良風な男に囲まれていた。
場所は辰巳ポートアイランド駅近くの裏路地。所謂、不良の溜り場だ。
「さっさとどけてくれない?そこそこ、忙しいんだ。」
怯えや恐怖どころか、何の感情も籠っていない声で男たちに告げる。
「てめぇ、なめてんのか!?」
「別に。」
「上玉を逃がしたんだ。お前が相手をしてくれると思っていいんだよな?」
「別にそんな予定はない。だから、期待はしないほうがいい。」
詩和依の口調は変わらない。
「調子にのりやがってっ!!」
そんな態度が気に障ったのか、正面立った男が拳を振り下ろす。
「うわっ!?」
拳が当たるより先に、男の体は地面に叩きつけられていた。詩和依が投げ飛ばしたのだ。
「や、やりやがったな!!」
倒された男の隣にいた不良が詩和依に掴みかかろうとするがそれも届かず、最初の男と同様に地面に寝る羽目になった。
「君達はどうする?」
私は別にどうでもいいけど、と言いながら、詩和依はフードを深く被り直す。
「ビビるな!!同時に行けば…」
「あ、ああ!行くぞ!!」
その声を合図に残った3人の男は一斉に詩和依へと襲い掛かる。
「…単純すぎるんだよ、動きが。」
3人の攻撃を最低限の動きでかわし、逆に鳩尾に拳を叩きこむ。
「雑魚にかまってる暇はないんだよ。」
フードを脱ぎながら吐き捨てるように言い残し、詩和依は裏路地の奥へと歩みを進める。
裏路地に残されたのは、気を失った5人の男たちだけだった。

This’s piece of cake.
(こんなの、朝飯前。)


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