There is no knowing what'll happen in the future

□Who is he?
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5月1日 放課後

「ねえ、しいちゃん。」
詩和依は帰り支度をしていた手を止め、顔を上げた。奏が控え目な声で呼ぶときは面倒なこと(例えば、テニス部への入部、生徒会での手伝いなど…)に巻きこまれる―この約3週間で学んだことだ。だからと言って無視することは出来ない。
「どうした?」
「あのね、ゆかりと順平と一緒に真田先輩のお見舞いに行くことになったから、しいちゃんも行かない?」
案の定、面倒くさそうな話だった。詩和依に真田への興味は全くない。遠慮しとく、と断ろうとした矢先、奏の期待の籠った目と目が合ってしまった。こうなったら、もう断ることは詩和依には不可能だった。(ものすごく、罪悪感を覚えるから。)
「…了解。」
小さなため息をついて、詩和依は答えた。
「じゃあ、決まり!!」
奏はにっこり笑うと、ゆかり達の方へ戻って行った。
(めんどくさ…)
詩和依はまだ途中だった帰り支度を手早く済ませ、3人の所に向かった。


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