三國
□藤の華
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「はぁ……。」
今日も相変わらず作業が続いている。
私はいつも通りに仕事をこなしていた。
河の設計、予算、土地の状況、そして普通の事務仕事。
先に先に頭を働かせ皆を苦しませず安心して作業が出来るように考え行動した。
別にこれは私自身の仕事であり苦に思ったことはあまりない。私は呉の軍師であるのだから。
……けど、
たまには何か言われたいと思うこともある。
特に孫策様に。
昔はよくお礼を言われて嬉しかった部分があったけれど最近はまともに会話もしていない。
……話したい。
……しばらく部屋に籠って仕事を続いているとすっかり夜になってしまい外をみると皆すでにいなくなっていた。きっと切り上げて皆寝てしまったのだろう。
「…もう少しやるか…。」
そう呟き小さい声でため息をつきまた椅子に座って仕事を始めた。
その時フッっと記憶が蘇ってきた。
(ため息ばっかついてっと幸せ逃げんぞ!!)
―幸せ…か。
するとそのまま力が抜けていった。
ふわふわした気持ちで一気にまぶたが重くなってしまった。
「……孫策」
孫策と話したい。
ずっと話していたい。
けど君は、
私の一歩先を歩いている。
それが、とても寂しい。
ー孫策。君が好きだ。