Novel
□僕らの日常
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「あれ、もうこんな時間なのにまだ総悟くん起きてないの?」
近藤家の朝。退お兄ちゃんは茶色の地味なエプロン姿で、十四郎お兄ちゃんにびっくりした様子で聞きました。
「あぁ?あいつまだ起きてなかったのか…っていうか父さんもいねぇじゃねーか…」
十四郎お兄ちゃんが呆れかえったように言います。
ちなみに十四郎お兄ちゃんは大学生、退お兄ちゃんは高校3年生、そして末っ子の総悟くんは高校1年生です。
「ちょっと起こしてくる」
そういうと十四郎お兄ちゃんは二階に消えてゆきました。
「おい総悟、起きろ!」
「ん…トシ兄ぃ…」
眠そうに総悟くんは長いまつげをぱちぱちと瞬いています。
すると十四郎お兄ちゃんの表情が和らぎ、総悟くんの額にキスを一つおとすと「おはよう」と微笑みました。
そして総悟くんも嬉しそうに笑い、おはようと同時に十四郎お兄ちゃんの唇にチュッとキスを返しました。