Novel

□学園物語
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ここはむさ苦しい男子校。

今日も平凡な一日でありますように───




夢の世界と現実の世界を行き来しながら沖田総悟は授業をうけていた。
時折ふく風が妙に気持ちよく目を細める。

現在一年生の沖田は、サラサラとした金に近い茶色の髪に、赤茶色の丸まるとした大きな目。
鮮やかな桃色の唇、誰もが見とれる白く細い体…かなり完璧なルックスでこの学校ではかなり有名な生徒だった。

男子校といえば男色。
そういうことでもないが、この少しイカレてしまっている学校ではかなり男色というものが普通であり、大体のものが沖田ねらいだ。
しかし彼は気づいておらず、よくナンパされていることを"絡まれている"と思っている。かなり鈍く、危険なタイプ。

「早く授業終わらねーかなー…」

頬杖をつき教師の目の前であくびをかみしめる沖田。
教師はゴホン、と咳払いをし、また授業を再開した。たいして授業を聞いている者もおらず、黒板に向かって字を書きながら説明する教師もそろそろ涙目になってきたころキーンコーンカーンコーンと授業の終わりを知らせるチャイムの音が鳴り響いた。

ザワザワと一気に教室が騒がしくなり、教師も教室を出て行く。

「総悟、いるか?」

「あ、土方さん」

バッとドアの方へ振り返ると土方十四郎がたっていた。
沖田と土方さんは恋人同士。昼休みや放課になるといつも土方がとなりの沖田教室を覗きに来るのだ。

「いつもいつも鬱陶しいんでィ土方コノヤロー」
「のわりには反応がはやかったな。」

「んなことありやせんぜ。土方さんの動きがトロいから俺が早く見えるんでさァ」

「なんだとコラ」

当たり前のように繰り広げられる2人の会話。
当たり前すぎるからクラスメートもたいして反応しない。

この二人はどこでもイチャイチャベタベタしているのだ。
一見、沖田の方は嫌がって見えるが実は満更でもない。
いわゆる最近はやりの"ツンデレ"というやつだった。

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