おはなし

□じゃれあい
1ページ/2ページ




あるお稽古の休憩中のことでした
自動販売機の前で激しく口論する二人

あ「もう、わけわかんない!だからこっちの方が良いって言ってるじゃん!ほんとカリはわかってないよね!」

カ「はぁ?わかってないのはあすのほうだよ!絶対こっちだから!」

あ「ちょっとそんなに睨まないでよ、ただでさえ目つき悪いのに!」

カ「はぁ?!それ関係ないでしょ!目力があるって言ってくんない?」

今日も二人はなかよくじゃれあってます
喧嘩じゃなくてじゃれてるんですよ、コレ

あ「あー怖い怖い、先生ーっ!煌羽君がいぢめてきまーす」

カ「あ"ぁ?!誰に言ってるんだよ!このニセ優等生!」

うん、じゃれてます、たぶん...

そこに我らがトップ音月様が

け「あ!カリあすだ〜今日もなかよしだね〜」

あ&カ「「なかよしじゃないですっ!」」

なかよしだ

け「あはは〜ピッタリじゃん!」

カ「桂さーん、笑ってないで聞いてくださいよ!あすが不良扱いするんですー」

け「ちょっと前まで不良役してたじゃん!私もいぢめられたもん」

あ「ですよねー!あれ絶対役作りしてないでしょ!」

カ「うぅ...あす、うるさい!」

け「あすも車椅子の上で暴れる役似合ってたけどね〜」

カ「ほら!やっぱりニセ優等生なんじゃん!」

あ「く...っ」

け「はいはい、二人とも退いて〜私はジュース買いにきただけなんだから」

あ「そうだ!この際、桂さんに決めてもらおうよ!」

カ「いいね!そうしよう!」

け「ん?」

お金を入れる手が止まる

あ「桂さんはどっちですか?!」

け「なにが?」

カ「紅茶です!!」

け「こぉう...ちゃ...?」

あ「咲さん風にしなくて大丈夫です」

とぉう...きょー??みたいな

け「ごめんごめん」

カ「紅茶です!リプトンか!...」

あ「午後ティーか!!どっちが好きですか?!」

け「....もしかして、そんなことで言い合ってたの??」

そのもしかしてです

カ「そんなことじゃないですよ!重要です!!」

あ「大事な休憩時間を裂いてでも決めるべきです!」

け「そ、そうなの...」

カ「疲れたときにこそリプトンですよねっ?!」

あ「リプトンなんて甘すぎるよ!午後ティーですよねっ?!」

カ「リプトンですよねっ?!」

あ「午後ティーですよねっ?!」

カ&あ「「桂さんっ?!?!」」

トップ様に詰め寄るカリあす

け「うわ〜〜ん!助けてまっつ〜!!」

偶然通りかかった未涼に泣きつく
ちゃっかり抱きついちゃってるし...

ま「桂、どうしたん?」

未涼は首に巻きついた音月の腕を軽く叩きながら訳を聞く

ま「そんで、カリとあすに詰め寄られてたん」

け「そうなの!私どっちも好きだから決められないもん〜」

ここぞと言わんばかりに未涼に擦り寄る音月
未涼は、わかったわかった...と音月をなだめて

ま「ほんなら、かわりに私が決めたるやん」

と、ふんぞりかえったのであった

あ「ほんとですかっ?!」

カ「ありがとうございます!」

二人ともキラキラ(ギラギラ?)した目で未涼をみつめる

ま「私が好きなんは.......


コーヒーやな」


..........ん?

ま「せやからコーヒーやって」

未涼は自動販売機でブラックコーヒーを買うと一時停止するカリあすにむかって

ま「しょうもないことで喧嘩してやんと黙ってコーヒー買っとき」

行くで、桂 と呼びかけて軽くコーヒーを振りながら去っていったのであった...
さすが、何様 俺様 未涼様


その後カリあすは無言でブラックコーヒーを買い、ブラックのにがさに顔をしかめたのでありました



end
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ