悲恋歌―あの空の彼方に―

□始まりの記憶
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「……どこに行くんですか?」
街の人の目をひきながらずんずん歩いていく
……そういえば、この人の名前聞いてない
「あの!」
「これから屯所に行く
……それ以外ならなんだ」
「お名前を……聞いてなかったので」
男性は一瞬迷うそぶりを見せたが、すぐにもとのしかめっつらに戻る
「土方 歳三だ」

………え?

土方 歳三

聞いたことがある

――新撰組だ
局長は近藤勇、副長は土方歳三

「新撰組……」
ぼそっと呟いたのが聞こえたのか、土方さんが振り返った
ああ、この人が
そんな事を考えていると、急に止まった

「着いたぞ」

そこは、屯所というにはいかにもな雰囲気を醸し出していた
門を潜って、中に入る
って、皆こっち見てる!

室内に通され、とりあえず座るように言われる
数分か経つと、人が集まってきた
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