r(^ω^*)))ヘタリア

□巡り巡る
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「ドイツ!ドイツ!」

「ん…なんだ…イタリア…こんな朝早くに…」

必死に寝ているドイツを左右に揺らすイタリアの表情は悲しそうで、切ない。そして今にも溢れだしそうになる涙をこらえながら、声を絞り出す。

「お前は…お前は俺の初恋の相手なの…?」

ドイツは起き上がり、イタリアの必死な言葉に戸惑いを見せ一緒眉を歪めるが、イタリアの頭にそっと腕を伸ばしたかと思うと自分の胸に優しく寄せた。

「どうしたんだ?ゆっくりでいいから落ち着いて話してみろ」

うん…とイタリアはドイツの胸の中で頭を縦に振る。

「あ、あのね…さっき…凄く大切で大好きだった俺の初恋の人が夢に出てきたんだ。その人は昔みたいに怖くて、昔みたいに優しくて、昔みたいに笑ってくれて、昔みたいに綺麗な黄色の髪で…懐かしいようで身近な気がしたんだよ…。でね…俺気付いたんだよ…お前とそっくりだな…って」

一気に涙が溢れ出るイタリアをぎゅっと強く抱きしめるドイツ。それは決して乱暴ではなく、まるで大切なものを壊さないよう優しく包み込むようだった。

「イタリア…よく聞け。俺は幼い頃の記憶をよく思い出せないんだ。だがな、もし俺が幼い頃にお前と出会っていればな…俺はきっと…」


「お前が大切で、お前とずっと一緒にいたくて、お前と離れたくなくて、お前と一つになりたくて俺と国になって欲しい…なんて言い出してるんじゃないか…」

ははっと軽く微笑むドイツの目を見つめて、イタリアは涙でぐしゃぐしゃの顔を精一杯の笑顔を浮べた。そして、再びドイツの胸に顔を寄せた。












「お前は…昔と変わらないね…神聖ローマ…」

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