ポケモン不思議のダンジョン・ギルド対決!!〜プクリンギルドVSアバゴーラギルド〜

□試しのバトル
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二つのチームの距離が徐々に縮まる。
最初に動いたのは……。

――ガシッ

「なっ?!」

「てめぇはこっちだ」

ウォーグルだ。
ウォーグルが足の爪でリオンをつかんだ。そしてそのまま、彼を船から引き離そうとする。

「リオン!」

ピカリは助けようとウォーグルを追おうとした。
しかしその時、目の前に突然赤いものが現れた。

「お前はこっちだ!」

バシンッ――

「きゃああ!」

ワルビアルが太い“尻尾”でピカリをはたき飛ばした。
ピカリはそのまま船の壁に叩きつけられた。

「ピカリ!」

「よそ見している場合か?」

リオンとウォーグルは船の上空を飛んでいた。
リオンはピカリの元へ行こうと必死にもがく。
しかしここで、ウォーグルが動いた。
船の正面から右側に飛んだ。

〜海岸〜

「ん? ……あれは……リオン!?」

先程までキマワリは「今日もきれいな空ですわ〜」と青空を眺めていた。しかし、そんなのんびりとしていたとき突然、リオンと見覚えのない鳥ポケモンが目に入ったのだ。

「おい、どうしたキマワリ……?」

ドゴームが口をあんぐりと開けた同輩に声をかける。すると彼女が何やら口をパクパクさせながら、自分の見ている方角を指――つまり葉っぱの手で指したのだ。
その方角の空に目を向けると、そこには見知らぬ鳥ポケモンに捕まっている元後輩の姿があったではないか。

「ってリオン!? 何やってんだあいつ?」

「どう見ても襲われているんでしょ!!」

やっと声が出せるようになったのか、キマワリは状況に理解出来ずハテナマークを浮かべているドゴームに怒鳴った。
それ見つけたペラップは、二匹がまた喧嘩でもしたのかと思い、急いで彼らの元へ行った。
ペラップに気づいた二匹は、ペラップをがしりと捕まえると、リオンのいる空を指さした。

「おい! どうし……リオン!? な、なんだあのポケモンは?!」

ペラップの大きな驚き声に気づき、ムーランドは空を見た。するとそこには、よく知っているポケモンの姿があった。

「あっ! あれはウォーグル」

ムーランドの言葉にプクリンが反応する。

「ムーランド。知ってるの?」

「アバゴーラさんの弟子の一匹です!」

「……僕の予想、当たっちゃったみたいだね」

〜上空〜

「……ここから落とすつもりか?」

「フンッ。俺がそんな単純なことすると思うか?」

リオンの言葉を否定して、ウォーグルはニヤリと笑う。
現在、二匹は船の右側を飛び続けている。真下にはもちろん、青い海があった。

「大丈夫だ。岸の近くだからおぼれ死ぬことはねぇ」

「お気遣いどうも。……何するんだ?」

「こうすんだよ!」

ウォーグルが一気に降下した。それもすごいスピードだ。

「くらえ! 『フリーフォール』!!」

海が間近に迫ると、彼はリオンを海に投げ飛ばした。

バシャンッ――

と、大きく水しぶきが立った。

〜船の甲板〜

「『アイアンテール』!!」

「無駄だ」

――ガシッ――ブンッ

「うわああ!」

今度は尻尾を掴まれて投げ飛ばされたが、体勢を立て直してうまく着地する。

(ダメだ……直接攻撃も防がれる……どっちにしても、体格差でパワー負けする……)

ピカリは悩んだ。一度投げ飛ばされた後、『十万ボルト』を放っても全く効果がなかった。つまり――彼は“地面タイプ”だったのだ。

「オラオラオラーー!!」

ワルビアルが爪と尻尾で襲ってきた。
ピカリはそれを、間一髪ながら全てかわした。
攻撃が決まらず、ワルビアルは舌打ちをする。

「ちっ! すばしっこい奴だ」

(どうしたら……)
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