歌×庭混合

□クラス
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「月宮先輩っ!」


4つ授業が終わってすぐ。

名前を呼ばれて扉の方を見れば、切原君が。


私は立ち上がってそちらへ向かう。


『こんにちは。どうされました?』

「お昼誘いにっ!一緒にお昼食べましょうよっ」



無邪気に笑う姿になんだか心が温まるものを感じて、喜んで、と答える。



『あぁ、ちょっと待っていてください』



教室の中に戻って鞄からお弁当箱セットを取り出す。

水筒に朝作ったお弁当等、一式が入っている小さめのポーチを持って切原君の元に戻った。


『どこで食べますか?』

「屋上!」



なるほど。最初から決めていたんだ。
楽しそうに笑う彼を見て、笑みを返す。


『では行きましょうか』


切原君と歩いていると、なぜか人目を引いた。

いや、自分一人で歩いているときもそれなりに人の目がこちらを向いていたのは事実。



でもそれ以上に人目が気になった。


「今日はいい天気っすから、屋上は気持ちいいでしょーねーっ」

『そうですね。今日のように心地いい日は外に出ると凄く気持ちよさそうです』



そういえば、テニス部にはファンがたくさんいるんでしたっけ…。


切原君はテニス部の一人だから、もしかしたら…。


ん?でも仁王君が言っていたのは、確かレギュラーのみだったはず。

ってことは、切原君はレギュラーなのかも。


ちらりと隣を歩く切原君を見る。


17歳の平均身長より少し小さい気もするけど、でもそこまで差もないか…。

じっと見つめていると、パチッと目が合う。

私は笑みを向けて目を逸した。


なるべく早い間にテニスの打ち合いが出来る程度にはできなちゃいけない。

でも、こうやってゆったりするのもいいかも。





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