歌×庭混合
□曲・別れ・涙
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「本当にすみませんでした」
「こちらこそ…うちのHAYATOが…」
次の日。
「全く。…君たちのところは締切も守れないのか」
ゴールデンウィーク最後の日だ。
一ノ瀬君と、お昼頃に取った曲は完璧だった。
私も一ノ瀬君も満足したもの。
それを、まず作曲家さん、作詞家さんに聞いてもらったあとにディレクターさんへ。
前者の二人はすぐに聞いてくれて、最高の出来、と褒めてもらえた。
ただ、今この部屋では。
ディレクターさんに向かって、私のところと、一ノ瀬君、基HAYATO君のマネージャーが頭を何度も下げていたのだ。
見ていてあまりいいものではない。
HAYATO君もきっちりと頭を下げていた。
鈴木さんだって、ペコペコ頭を下げるタイプの人間じゃないんだ。
とにかく私は早く聞いてもらいたかった。
下げていた頭をあげて、ハッキリと言う。
『本当に申し訳ありませんでした。
ですが、遅れてしまった分いいものが出来たのは確かです』
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