歌×庭混合

□早乙女学園
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『…数日ぶりの早乙女学園…』


相変わらず大きい。

立海大も大きいけど、ここはお城みたいだ。


車から降りて(ジョージさんにお礼は言った)学園を見上げていると、レンが隣に立つ。


「俺はこれからレディ達をお話しなくちゃだからここまでだけど。
レコーディングルームの場所とか分かるよね?」

『私これでも一応卒業生よ?当たり前じゃない』

「じゃあ、俺はここで」

『うん。ありがとう。またね』



レンと分かれて、学園の中に入っていく。

一直線にレコーディングルームへ向かった。
確か、頂いた資料には奥から5番目って聴いたけど…。


『…使ってる…な』


こっそり覗いてみたら、中に作曲家らしき女の子が入っていた。

そしてその奥で金髪で小さい男の子が歌っている。


一応、私が使うことになっている時間にはなっているが…。


小さくだが、歌声が聞こえた。


あまり立ち聞きするのはよくないけど、でもそれはとても魅力的な声。



…ふむ…。



でも、ブレスの場所を変えた方がいいかもしれない。

そうしないと声の伸びが…。



『あぁー…。そう来るか…』

なるほどな。なんて呟く。


歌声を聴き終わって、静かになったところにそっと扉をノックした。


ハッとした顔をこちらに向ける女の子。

そして時計を見たあとに、重い扉をあけて、綺麗なお辞儀をしてきた。


「ごめんなさいっ、次の方ですよね?申し訳あり…っ!!」


頭を上げてこちらを見た女の子は驚いて言葉を止める。


『大丈夫ですよ。それより私にも聞かせて頂けませんか?』

「そそそそっ、そん、そんなっ、あのっ、えっと…」



真っ赤になって俯いてしまう女の子はまたかわいらしい。

すぐ奥から、歌っていた金髪の男の子が出てくる。


「春歌?どうs…!?」


その子も、すぐに固まってしまう。


『曲を聞かせて頂きたいのですが…よろしいですか?』

「榊原真琴…!?えっ、ま、マジで!?」


二人は慌てながら、私をレコーディングルームに入れてくれた。



相変わらずの設備。

独特の匂い。

懐かしさを覚えながら、近くの椅子に座った。




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