星光の魔王-シュテル・ジ・エルケーニヒ-

□第5話
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アリサ・バニングスは表に出さずとも内心穏やかでなかった。不機嫌である。

それは自身の友人である月村すずかと高町なのはにある。

アリサは今でこそすずかと仲が良いが、最初の馴れ初めはかなり最悪である。

なのはとすずかが互いに色々あれどひとりぼっちだったようにアリサもまたひとりだった。

勉強が出来てテストで100点が当たり前のアリサからすれば、周りは皆子どものように思えた。しかも持ち前のプライドの高さが祟って他を無意識に見下していた。

そんなある時だった。

今まで物静か、根暗に見えていたすずかに他人が寄り付くようになったのだ。

今までひとりぼっちだったすずかがそうでなくなることが、アリサには面白くなかった。

だからちょっかいかけて――

アリサからすれば筋違いの嫉妬と、構って欲しかったというのがあった。

だがすずかからしたらイジメられているようにしか感じず、以前のすずかならばぐっとこらえて我慢するだけだったが、その時のすずかはある意味護る為に力を振るう事を胸に秘めた時期だった。
結果的に殴り合いに発展して仲良くなれたものの、今のアリサからすれば自分はなんて勘違いで恥ずかしい奴なんだろうかと胸がいっぱいになる。

閑話休題――

つまるところ、すずかはアリサの初めての友達だ。

だがそのすずかは大抵なのはと一緒に居ることが多く、その時はなんとも近寄りがたい雰囲気によって近寄れず、しかも話す内容も話題もアリサにはチンプンカンプンのものばかりで、疎外感を感じるアリサにはそれが面白くないのだ。


「そういえば、アリサちゃんは今度の土曜日と日曜日のお休みに予定とかあるの?」

「あたし?別にないけど」


ふとしたすずかの声に、アリサは意識を現実に戻した。


「それじゃあなのはちゃんは?」

「…私は土曜日は午後からでなら別に構いません。日曜日も特に予定もありませんよ」

「それじゃあ決まりだね」

「「なにがよ/ですか?」」


異音同義で答えたアリサとなのはに、すずかはワクワクといった感じで2人に言った。


「今度のお休みに、私のお家にお泊まりに来て欲しいの!」


見惚れてしまう程の笑みを浮かべながら自分の提案を言ったすずかだった。






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