星光の魔王-シュテル・ジ・エルケーニヒ-

□第1話
2ページ/3ページ

とはいえ、学校は私立でもやはり小学生。授業自体は懐かしさを思い起こさせる内容ばかりだった。

そんな今日も今日として学校が普通に終わり、いつも通りトレーニングをしに市街地の外れにある廃ビルに向かった。

すこし距離もあり、周りには人通りも少ない為。魔法の訓練には最適の場所でもあるわけである。

いつも通り魔力運用から始め、身体に魔力が行き届く。

まだ4月で少し肌寒い日影の為にこの温かい感覚は助かるが、やり過ぎると熱くなるとわかってからはそれをコントロールすることも練習している。なのははそれが間接的に魔力をコントロールしていることに気づいている。

温度もとい魔力の調整を終えてから、今日は腕にそれを収束させる。魔力刃を形成出来るのは前述した通り。しかし今回の魔力刃には炎熱効果が付与されたものだ。

なのはは『高町なのは』とは違う魔力資質の持ち主らしいのを最近予想した。

なぜならば、魔力の収束があまり上手くないからだ。

高町なのはは魔力の収束技術があればこそ砲撃魔導師としてアウトレンジやロングレンジで無敵を誇った存在だ。

しかし『高町なのは』には炎熱効果を操るスキルは無かったはずなのだ。

それをするなのはは、自信が高町なのはであって『高町なのは』ではない魔導師としての資質があるのではと思い始めた。
それからは炎熱効果と収束技術を伸ばす方向性にシフトして魔力運用を始めた。

魔力刃の高密度収束形成にもやはり時間がかかる。

そこに炎熱効果も一度でつけるとなればマルチタスクも必要になる。

なのはは頭の中で複数の事を一度に考えるマルチタスク習得の訓練として、右手と左手でそれぞれ違う事を行動させる感覚の様に物事を考える為に両利きにする特訓も始めた。

とにかく特訓、特訓、勉強、特訓、特訓、お休み、お休み――

月火水木金土日のなのはの生活は、そんな感じのものだった。






次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ