星光の魔王-シュテル・ジ・エルケーニヒ-

□第11話
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海鳴臨海公園――

数々の出逢い。数々の別れを見てきた彼の地に、1人の男が居た。


「ドォォォクタァァァァアアーーーーッッ!! ウェェェェーーーーーーーストッッッッ!!!!」


彼は更にギターを奏でる速度と音域を上げてドップラー効果の効いた叫び声と共に言葉を紡いでいく。


「今の我輩はアドレナリンの分泌量は過去最高潮でテンションは限界突破どころか臨界点突破も地の彼方へと置き去りに宇宙をも貫き天元突っ破ッ!! 我輩のドリルに貫けぬものはねーのであ〜る! そう、我輩は遂に、この緑と青の母星へ生還したのである! この魂の叫びを素直に表すのならばこう答えるである! 地球-テラ-よ、我輩は帰ってきたぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああっ!!」


近所迷惑ナニソレオイシイノ?

的に彼は魂のままに叫び散らした。

しかしそれも落ち着いたのか、おもむろにギターとわけわからん叫びを止めた。


「ふぅむ…」


風に混じる気配に僅かに眉を寄せる男。


「ちょ〜っと別世界まで散歩に行っていたと思ったら、よもやなにやら不穏な空気が漂っているではないか。コレはひょっとして世界がこの大・天・才ッ!!たる我輩にヘルプ・ミー!であるか?SOSであるか? 我輩別に真祖の吸血鬼だったり、美少女からのSOSで飛び出すような尻軽なわけでもないわけで、世界の意思なんぞ知ったこっちゃねーのではあるが……」
男は言葉を止め、街を視る。


「時期尚早。我輩の科学をもってして魔導にケンカをふっかけるという計画は地球が存在してこそ成り立つもの故に、まぁ、救ってやらんこともないのである」


男のツンデレなんぞ誰得なんだかわからんが。

彼には彼なりの美学に基づいて行動しているのだ。

悪ではあるが邪悪ではなく、むしろ悪の中の悪を自称してそれに誇りを持つ悪党。

人は彼をこう呼ぶ。

呼ぶのは極僅かの限られた人間だが。


「そうとも! この一億と二千年に一度と言われた世紀の大!天!才ッ!! このドクター・ウェストが難事件に挑む! さて、さっそくこのおしえてダウジング君ver.3.35インストールで、ダウジング開始なのである。っとその前に家に帰らなければ」


ドクター・ウェスト――

白衣をはためかせながら歩く科学者にしてはマッチョな彼。

あらゆる技術を求める中、様々な怪異をドリルなトルネードでクラッシャーする幾多の世界に存在するマッド・サイエンティスト達の中でもトップクラスの頑丈さとパワフルさとキ○ガイさとギャグ修正持ちで、ウリバタケさんもビックリな御都合主義の技術チート博士である。


「はいそこの君〜! 君かなギターを大音量で引き鳴らしていたのは。近所の人の通報でね。ここはみんなが使う場所だからもう少し静かに――」
罪状:近所迷惑で御用に――






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