香水 N×K
□アマゾネス
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熱く湿った空気。
お互いの呼吸の音しか聴こえないほどの静かな部屋。
汗ばんで普段より滑りが悪い肌も、嫌いじゃない。
恋人たちの、熱帯夜。
薄暗闇の中、ベッドに組み敷かれたゆかちゃんは気持ち良さそうに潤んだ瞳で私を見上げている。
ふとベッドの下に目をやれば、ゆかちゃんが買ってきたハワイ土産のハイビスカス.リキュールの瓶が床に横たわっている。
数時間前にやって来て、「お土産」と私に手渡しておきながら、結局一人でグイグイ呑んでしまった彼女。
ゆかちゃんの酒豪ぶりには本当驚くよ。
そりゃ、私も二人で呑みたかったからいいんだけど。
でも…のっちまだ呑み足りないなぁ。
キスをしたら、ふわりとリキュールが香った。
そこに更にゆかちゃんの味が加わって、さっき呑んだリキュールよりも濃厚で、甘美な味わい。
「おいし…。」
「んぅ…」
何度か柔らかい唇を啄み、感触を味わうと、角度を変えて更に深く口付けた。
「ふぁ…」
ゆかちゃんの口内に舌を差し込むと、すぐにゆかちゃんのとぶつかり、ぬるりと絡みついた。
舌を絡めあいながら、段々とボーッとしていく頭。
アルコールの効能か…
いや違う、ゆかちゃんだ。
ゆかちゃんが、私を酔わせている。
「ん、…。」
一通り味わい尽くすと、唇が熱く息を吐いて離れ、銀色の糸が私達を繋いだ。
「はぁはぁ…」
私は欲望の赴くまま、ゆかちゃんがパジャマ代わりにしているTシャツの裾に手を潜らせた。