魔法戦記リリカルなのはRefrain

□prologue 機動六課解散前夜
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 かの最悪の事件。
 主犯ジェイル・スカリエッティと戦闘機人“ナンバーズ”が引き起こした管理局を巻き込んだ事件。
 通称“ゆりかご事件”。
 聖王の器たる少女ヴィヴィオを中心に起こったこの最悪の事件は……。
 勇猛果敢なエースたちが解決へと導いた。
 八神はやて率いる機動六課のメンバーたち。
 様々な出来事を乗り越え、一つの絆となった彼女たちは。
 自分たちが出会い、いろいろな出来事を過ごしたこの機動六課が試験運用期間終了となる1年がたった。
 もくろみの通りに“最悪の事態が起こった場合に対応”して収拾をつけた彼女らは。
 その後も時間を惜しんで新人達を鍛え上げ、0076年4月28日に期間満了し、解散となった。
 いまから語れるのはその解散前日の話……。


―機動六課特設訓練場―


「んー、今日が最後の訓練になっちゃうんだね〜」


「そうね、六課の運用期間が満了したみたいだしね。私たちもそれぞれの部署に行くわけだし……。スバルは行くんでしょ? 特救に」


「うん。あの時のティアの言葉で決められた。それに……ティアも目指すんでしょ? 執務官」


「当たり前よ。前からの夢だもの。次元航行部隊に行って、フェイトさんの第二補佐官だけど、実務研修が待ってる」


 ティアナとスバル。
 この両名はかのエースオブエースである高町なのはの指揮下分隊“スターズ”の隊員。
 なのはたちの下で急成長を遂げた彼女らはそれぞれ思いの部署へと行くことに決まっていた。
 訓練校時代からの名コンビとして数々の戦場を生き抜いた戦士でもある。


「へへ〜、でもほんとティアは凄いよね♪ 執務官補佐試験を満点でクリアするんだから!」


 自分のことのように喜んでくれるスバルを見て、ティアナは少し顔を紅くした。


「うっさいわよ、バカスバル。でもこれからよ。じゃなきゃ執務官にはなれないんだし……」


「ティアなら大丈夫だよ! それにフェイトさんの補佐官になれたんだからきっとすぐなれるよ!」


「でも、まぁしばらくは見納めかなと思っていた冬矢さんとフェイトさんのあの甘々雰囲気を感じなきゃいけないんだけどね」


「ほんと、甘いからね〜。あの雰囲気。でも私的には見れなくて寂しいかな。やっぱずっと近くで見てきたものとしては」


「あ、それは僕もわかります」


 スバルの思いに同意の返答があった。
 幼い感じの声。
 女性ではなく男性の声。
 赤髪の少年とその横を歩いている桃色の髪の少女。
 二人がティアナたちに近づいてきた。


「あ、エリオ、キャロ♪ おはよう!」


「おはようございます」


「おはようございます、スバルさん。ティアナさん」


 エリオとキャロ。
 先ほどから話題に上がっているフェイト執務官の指揮下分隊“ライトニング”の隊員。
 竜騎士と竜召喚士として名を馳せている。
 解散後は二人してキャロが元いた自然保護隊へと復帰と希望配属。
 密漁者の摘発や自然保護業務関係の仕事となる。


「エリオ、キャロ。あんたたちは解散したらすぐ行くの?」


「はい。色々と準備もありますけど、早めに行くつもりです」


「後は準備だけなんですよ〜」


「そっか〜。エリオたちが居なくなると寂しいよね〜。保護隊って言ったらここからは遠いもん」


「はい〜、私もスバルさんたちと会える回数が減るのは寂しいです」


 彼女らは新たな舞台へと踏み込むため、準備をしている。
 それほどまで別れが近づいている。
 改めて、明日で終わりだということを実感する。
 そして、今日の集まりはなのはたちから言われたものである。
 最期の教導ということで。


「あ、みんな。早いね、おはよう♪」


『おはようございます、なのはさん!』


 高町なのは。
 武装隊所属で戦技教導官であり、管理局のエースオブエースと称されるほどの実力者であり……。
 砲撃魔導師としては超一流でトップクラスの実力を保有するミッドチルダ式を使用する魔導師。
 解散後は戦技教導官の空戦魔導師として現場に残っていくとのことだ。
 星光の砲撃手としての異名を持ち、空の最高戦力の二枚看板でもある。


「冬矢くん、早く〜」


「あぁ、すぐ行くよ」


 御薙冬矢。
 なのはと同様に武装隊所属の戦技教導官であり、なのはと双璧を成す実力者にてこの物語の主人公。
 高次元の体術と抜刀剣技を駆使する近接型魔導師であり、ミッドチルダ式を使用するトップクラスの実力を保有する魔導師。
 フェイトとは中学生のころより付き合っており、バカップルとさえ称される。
 月夜の抜刀士としての異名を持つと同時になのはと空の最高戦力の二枚看板と言われている。
 解散後は教導官を続け、なのはと共に現場へと残っていく。
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