泣いたらご褒美あげる、
□春とあたしと狼さん
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時は流れ、
あたし木下純恋(すみれ)
はそんな "泣き虫"の
まま、
高校2年生の春を迎える
はずだった、のに。
「着信:木下恵」
春休みの午後だった。
バリバリの外資系に務めている
ママからの電話は、
めずらしいもので。
それもママの方から、なんて
よほどのことなんだろうと悟った
「ママー?純恋だけど
急にどうしたの」
それでもできるだけ
平静を装ってあたしは
受話器を手に取った、
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