泣いたらご褒美あげる、
□春とあたしと狼さん
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「すーの唐揚げ、
もーらいっ 」
「あ、すみれのお弁当〜……」
わああああん、
ひっく、ひっく……
少女は、へなへなと魂が抜けたか
のようにその場にへたれ
こんで泣き崩れる、
「すーちゃん、
あたしのあげるから」
「泣かないのすみれ」
こんなふうに幼稚園のころから
泣いてばかりだった、
あたしは
高校生になった今でも
涙腺が人一倍弱い、
『泣き虫』、のままだった。
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