【APH】One's Partners
□episode 02
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「わぁ〜!いっぱい人がいるね♪」
「ああ、ここにはエポルエとは違った賑わいがあるな。」
フェリシアーノはキョロキョロと楽しそうに周りを見て、ルートヴィッヒも口元に笑みを浮かべながら辺りを見回す。
「ふふ…ここ[黄竜《ファンロン》]には鴉ノ國《あのくに》全ての地域の方々が集まりますからね。」
菊は二人を見て微笑んだ。
フェリシアーノ、ルートヴィッヒ、菊の三人は常闇の森で影魔の討伐を終えた後、ギルドの本部があるラーチュエンへ任務完了報告に行く為、転移用魔方陣がある黄竜に来ていた。
黄竜は鴉ノ國の首都であり、それ故に様々な地域や国から沢山の人々が訪れる。三人が現在歩いているのは繁華街。しかも現在の時刻は午後7時という夕食を食べるには持って来いの時間。賑わっていて当然である。
『ヴェニャ〜…いいにお〜い♪』
『あれは何だ?』
ジーノは屋台や食事処から漂ってくる香ばしい匂いや甘いタレの匂いに鼻をひくひくと動かし、ハインリヒは薬屋に売られている光を発している怪しげな薬草や生き物(主に蛙やトカゲ…)の体の一部らしきものを見て眉間に皺を寄せる。
『…おや?あれは…』
「?どうしましたか?たま。」
と、菊の肩に乗っているたまはある方向を見て、首を傾げた。そんなたまの様子に気付いた菊が声をかける。
『彼方(あちら)のお店で商品を値切っているのは朔(シュオ)さんではありませんか?』
「え?」
菊はたまが手(前足?)を向けた方向を見た。その先には八百屋があり、店先には八百屋の主人らしい[八]と書かれた前掛けをした浅黒い肌のおじさんと客らしい青年が何か話している。
青年は紅色の丈の短いチャイナ服に黒のスラックスを履いており、やや長い黒がかった茶髪に黒い瞳をしていた。