黒子本棚
□夢現
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青峰くん。お話があるんです
今日部活終わったあと時間ありますか?
青峰くん…
頭の中で何回もリピートされるテツの声。さっきの移動教室の時にたった今思い付いたかのようにいきなりそんなことを言ってきたのだ。
テツの行動は掴み所がなくてバカな俺には到底わからないようなことをたまにする。
しかし今回は、いつもと様子が違ったように見えた。というのも、普段は本当に分かりにくい彼の表情から、少しの焦りというか、切羽詰まった様なものを感じたからだ。
いつも何でも見透かしたような瞳はどこか不安げで、初めて見る相棒の表情だった。
しかしその後、部活中は何事もなかったかのように、いつも通りのテツがいた。
そして現在、件の部活終わりである。
今日はテツが鍵を閉める当番だったらしく、最後まで部室に残っていた。
どうやらここで話すらしい。いったいなんの話だろうかと、頭の中で疑問符が踊っている。
「あんまり遅いと危険だ、気を付けて帰るのだよ」
俺たち二人を除く最後の一人、緑間が部室を出た。扉の閉まる不快な音がした。
少しの沈黙の後テツは顔を上げ、話し出す
「青峰くん。君は僕の事をどう思いますか」
どうって、チームメイトで相棒
だろ?
「そういうことじゃないんです」
じゃあどういうことなんだよ。
ああ、またテツの顔が焦りだした。いったい俺に何が言いたいんだろうか。
視線を合わせたまま均衡状態が続く
「…ああもう!まどろっこしいな!単刀直入に言います。僕は青峰くんの事が好k…
《キーンコーンカーンコーン…》
ばちっ
眩しい青空が目を貫いた。
そうだった俺は、屋上で4限目をサボっていたんだった。そして今は昼休みである。
「…夢かよ…んだよ…あーうぜぇ。飯食お」
ぐだぐだと起き上がる
がちゃり。
目前の屋上の扉が開いた。
「またサボりましたね青峰くん」
そこには俺の弁当を持ったテツがいた。さっきの夢を思い出して多少のイラつきを覚える。
しかし、何はともあれ飯を運んできてくれたのはありがたい
「おぉ…テツ弁当ありがと」
「いいですよ…あの、お話があるんです」
これは
正夢ってヤツか?シチュエーションはちょっとちがうけど。
「…なににやけてるんですか?」
「ああ、いやちょっとな。なんだよ?話って」
さあ俺の夢、現実になれ!
\(^p^)/
結末はどうなるんでしょうね。私にもわかりません
青峰くんは今日も絶好調です。