黒子本棚

□危険信号
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暗い



いつも、見てた

あなたはそれを知っていた

気づかないフリをして

自分の恋に夢中になった

彼と二人で練習しているときも

試合中の連携も

勝利に肩を組むのも

あなたはとても嬉しそうだった

俺と話している時でさえ

あなたの口からは彼の名前が飛び出した

あなたは気づいていたはずだ

俺の心に

彼も気づいていたはずだ

見せつけるようにあなたと話す

俺の前で

彼もあなたに恋をしていた

ずっと前から

俺より、前から

あなたは

気づかなかったかも知れない

だって彼の告白に

とても驚いていたから

しかし

あなたは知らない

彼がどんなに

汚い欲望の渦巻いた目で

あなたを見ていたか

あなたは知らない

俺がどんなに

あなたを独占したいか

俺は忠告した

彼と付き合うと言うことの

危険さを

しかしあなたは

それでもいいと言った

彼ならいいと言った

ねえ

どうして

俺じゃ駄目なのか

彼に聞いたら

テツに聞けと一蹴された

その余裕が憎らしかった

彼の黒い肌は土気色になった
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