黒子本棚

□Rainy blue
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青黒
高校時代(一応)





雨が降っている。30分程前から、だんだん雨足が強まってきている気がする。
はあ、帰るの面倒臭ぇなぁ。

雨は嫌いだ。濡れるし寒いし風邪ひくし。いいことなしだ。

今朝は降っていなかったので、当然傘など持っているはずもない。一向にやむ気配もない。
さて、どうしたものか。

「…走って帰るか」

とりあえず一番近いコンビニまで、と鞄を頭に乗せて、走りだした。

思っていたよりもコンビニまでの道程は長く、かなりずぶ濡れになりながらコンビニにたどり着いた。

「っはー…冷てー…」

9月も半ば、夕方の気温は大分下がってきている。
肌に張り付く濡れたシャツが不快感を募らせる。

コンビニなら傘を売っているだろうと思っていたが甘かったようで、傘なんて一本も売っていなかった。
肉まんでも買って食べようかと思い、レジに向かうと今まで気がつかなかったが客がいた。
普通に注文しようとしていたので少しぶつかってしまう。

「わっすんません、ってテツかよ」

「どうも」

前で会計をしていたのは中学時代のチームメイト、黒子テツヤだった。

「びしょびしょじゃないですか…傘は持ってないんですか?」
「朝降ってなかっただろ…あ、肉まん一つ」

ありがとうございます、お会計105円になります
コンビニ店員独特の高めで妙なイントネーションの声がする。
紙の袋に入った肉まんを受け取った。

「どうするんですか」

何をだろう。そう考えたのがもろに顔に出ていたらしくため息をつかれた

「傘ないんでしょう?…あ、僕のに一緒に入りますか?」

せっかく久しぶりに会ったんですし、家来ますか
と何を考えているのか解らない目に見つめられていわれた。
答えはもちろん

「行く」

少しテツが笑ったような気がした

「じゃ、行きましょうか」
「オレが傘持つよ」

テツ小っせぇからな、と笑いかけると、すこしむくれて平均です大輝君がでかすぎるんですよ、とか言ってるが、俺は可愛いテツを見るのに夢中なので聞こえない。

「…聞いてます?」

「ん?ああ、ちょっとな」
絶対聞いてなかった、これだから大輝君は…とぐちぐち言い始めた。ちょっとうるさい

「なあ、テツ」

「なんですか、んぅ…」

振り向いたテツにキスしてやった。いきなりのことに驚きつつも顔を真っ赤にしてキスに応える。
それが健気で超可愛い

「…っはぁ、もういきなりは…」


「今日、泊まっていいか?」

テツの顔はさっきよりさらに赤くなって狼狽えるが、少し咳払いをして答えてくれた

「いいですよ」

こんな雨の日なら好きになれそうだ




\(^p^)/
肉まんが食べたくて書きました。
なのに肉まんの存在が薄い。肉まん食べたいです

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