ジョジョ本棚
□弟じゃない
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ジョニジャイジョニ
周囲の偵察から帰ってきたジョニィがやけに甘えてくる
「…」
「どうした?」
俺の背中に額を擦り付けてくる。これはたぶん、偵察でなにかあったな。大方ディエゴにでもあったのだろう
「ジャイロ…僕は、どうして言いたいことが言えないんだろう」
溜め息をつき、悩ましげな声で甘えてくる年下の友人に自然と頬が緩む。思春期をやっと通りすぎる位の年のはずだ、大して変わらないけどなんだか可愛らしく見えてしまうのは何故だろうか。俺には何人か弟がいるがそいつらはこんな可愛いげのあることはしない。
体勢を変えて頭を撫でてやると、心地良さそうにしている
「ジャ〜イロ〜……」
間延びした自分の名前を聞いていると本当に弟のように思えてくる。ここはお兄ちゃんらしく相談にのってやろう
「どーしたんだよジョニィ、悩みならお兄ちゃんが聞いてあげるぜ?」
ニョホ、と何にも考えてないジャイロが笑うから僕はまた寂しくなった。ジャイロは僕のことなんてこれっぽっちも意識してないのに、僕だけジャイロを気にしてるなんて何か嫌だ。
しかもお兄ちゃんとか言ってるし、絶対僕のことなんて可愛い弟くらいにしか思っ
てないんだ。
今も僕の頭を撫でながら鼻歌歌ってるし、鼻歌のセンス悪いし。
ジャイロは悩みを打ち明けたらどんな顔するかな。でもこれで嫌われてゴール出来なくなったら嫌だし。僕の頭はこんなに悩んでるって言うのに、ワケわかんない鼻歌は止まんないし。
さっきなんて外でディエゴにあってまだ告白してないのかとか言われたし。あのトカゲ野郎尻尾切ってやろうか。
「…ジョニィ、本当になんかあるなら聞くぜ?」
今度は真面目に言われた。両手で頬を挟んでしっかりと向き合う形。余りにも顔が近い、視線を反らしたら少し厚めの唇が目に入った。この天然タラシ、僕の気も知らないで。
「ジョニィ?」
無反応だった僕の目を少し下から覗き込まれた。
「好き。キスしたい。ジャイロ、」
僕はもう限界だった。ジャイロにキスした。ジャイロは驚いてた。
もう僕は終わったな。
「…」
「…ごめんジャイロ」
ジョニィにキスされた。好きと言われた。俺はどう返すべきだ?
ジョニィのことは嫌いじゃない。むしろ好きな方だ。じゃあさっきのキスは?突然すぎてよくわからなかった。
「…ごめんジャイロ」
ジョニィが謝ってきた。泣きそうな顔をしていた。
俺の頭ん中はどうしたらいいかと考えに考えて出てきた答えが『もう一回キスしてみて嫌じゃなかったらOK』だった
俯くジョニィの名前をよんで、顔をあげさせて、キスをした
「むぅッ…!」
「ん、嫌じゃねぇ。俺もおたくが好きみたいだぜ、ジョニィ」
「なに…、え?」
ジャイロがキスしてきた。それに好きだとか言ってきた。これは夢なんじゃあないか?
僕は言葉を返せなかった
「ま、これからよろしく頼むぜ」
ニョホ、とジャイロが笑った。
夢みたいな現実だった。
\(^p^)/
まとまらない!既視感半端ない