ジョジョ本棚
□夕空の猫
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リゾプロ
にゃんこパロ
雲が千切れたような形で高いビル壁の隙間からみえる。
水捌けの悪いビルの隙間は、室外機やゴミ箱、よくわからない箱や板でごちゃごちゃとしていた。
水気を含んだ土はくっきりと足跡をのこす。ぼこぼこと妙な凹凸のついた大きな靴跡。その上や周りに散在する動物の足跡が、いくつかあった。
そんな場所に猫が3匹
リ「さて、今回の会議についてだが、特に話し合うべきことはない。なにか意見のある奴…はいないか。…何で今日はこんなに集まりが悪いんだ」
プ「ギアッチョはたぶんまだ寝てるだろホルマジオとメローネは知らんがイルーゾォは鏡のない場所には来ない」
一番高い古びた棚らしきものの上に座った、やけに体格のいい珍しい銀と黒の毛の猫―リゾットがまず先に口を開いた。
少し低い隣の箱で毛繕いしている茶色の美人猫―プロシュートが応える。
リ「ソルベとジェラートは?」
プ「あいつらはデート」
ペ「じゃあ今日は会議無しっすね」
リ「そうなるな」
プ「ペッシ〜今日も魚取る特訓ができるな!」
ペッシは背後に殺気を感じた。
ペ「い、いや、今日はおいら一人で特訓するから兄貴はゆっくりしてください!」
飛ぶように、いや実際木箱の上から飛び降りて頭頂部のくせ毛を揺らしながらそのまま走っていってしまった。
プ「あいつも成長したじゃねえか」
感慨に浸るプロシュートは知らない。リゾットの目力に生命の危機を感じて逃げただけだと言うことを。
リ「よかったなプロシュート…ところで今日暇か?」
プ「ん?なんでだ?」
リ「久しぶりの一緒に休日なんだ。たまには恋人らしくデートしたくてな」
プ「ああ、そういうことか。暇だぜ」
プロシュートはリゾットの居る棚に上って隣に座った
プ「で、どこいくんだ?」
リ「…」
プ「まさか考えてないのにデートに誘ったのか?」
リ「…いや、いいところがある。着いてこい」
プ「はいはい」
そうして二人が向かった先は町の一番高いリストランテの裏側だった。そこは猫の間では結構有名で、上手い魚が落ちているとか、たまに猫好きの店員がご馳走をくれるんだそうだ。因みにここは良くリゾットと来る所だった
プ「何時ものとこじゃねえかよ」
リ「いや、この上に行くんだ」
上?と思って見上げてみるが別段いつもと変わらない。切り取られた空がみえるだけだ
その間にリゾットは外階段を上って屋根に向か
っていた。
慌てて追いかける。
リ「上がれるか?」
プ「あとちょっと…っしゃ上がれたぜ」
リゾットは満足そうに俺を見て景色を見てみろ、と言った
おもわず絶句した。
いつも切り取られて小さくなっている空は何処までも広がっていて、さっき見た雲はどこにあるんだかわからないがそれほどたくさんの雲が浮かんでいる
リ「どうだ?」
プ「…」
リ「ここはな、うちのチームの管轄で一番高い所なんだ。代々リーダーになった奴だけが上れる所だ」
プ「…すげぇな…」
やっと口から出た言葉がこれしかなかった。
プ「俺は来てもよかったのか」
リ「いいに決まってる。それに」
プ「それに、なんだよ」
リ「お前は空が、好きだろう」
なぜ知っているのか。そんなことは俺を始終見ているからに決まってる、いつもリゾットの視線の先は、俺だから。
あの不思議な色の目で見つめられるのに悪い気はしない。むしろ嬉しくなってしまう。
プ「ありがとな、リゾット愛してるぜ」
リ「ああ、俺も愛している、プロシュート」
二匹はいつもと同じ街をいつもとは違う高い場所から見下ろして、ごちゃごちゃと賑わう街に自分達が普段暮らしている場所を見つけ合った
りしながらしばらくじゃれていた。
やがて日は傾きはじめて空を朱色に染めた。
一日中同じところに居たことなど二匹とも初めてで、それだけ楽しかったのだと充実した気分になった
唐突にプロシュートが呟いた
プ「俺らが生まれ変わってさ」
リ「ん?」
プ「もし、人間だったらさ…結婚できるといいな」
何だか可愛い恋人は夕焼けに染められていつもよりもっと美しい。
リ「ああ、俺もしたい」
こんなことを言うなんて自分も夕焼けに当てられているな、と思いながらまた、プロシュートを見つめた。
まっすぐに赤い光を浴びるプロシュートを心底綺麗だと思った。
\(^p^)/
にゃんこリゾプロ!
猫可愛い猫可愛い