ジョジョ本棚

□オセロ
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一部終了後ディオ





綺麗に晴れた空の蒼さが目に染みるように痛かった。
日光の下に晒された自身はどうしても庇いきることはできなくて、このまま灰になるのだと静かに考えた。
ああ、なんと呆気ない終わりだろうか。
しかし、生きたまま焼かれる苦痛は耐えられるものではない。
痛くて痛くて仕方がない。
私は身を捩り、逃げようと足掻いた。ところが足掻こうとした足がもう消えていた。

体が崩れて消えていく。



目が覚めた。全て夢だとわかり安堵した。
今日も私は暗く小さい箱の中生きているらしい。

私の心、私の世界は遠い昔より黒く染まりきっていて、きらびやかな色をただ羨ましがって眺めていた。そうしてあるその心すらも恥ずかしく思えて、私の隅っこに仕舞いこんで無くなった振りをした。
けれど私の中ではただ黒に身を預けられるような覚悟などはどこにもなかった。そして私は黒の中の、際立って見える美しい黒に成ろうと思ったのだ。

ジョナサンは私とは正反対で、何があっても輝ける白のなかに在り続けていた。彼は私を白に戻したがっていたが、戻るも何も私は元々黒の側なのだと言うことに気づいていなかった。

スピードワゴンとか言ったか、あの私
と同じ貧民街、黒の側の人間だと言うのに白に近づこうとして、中途半端な灰色に成った奴がいた。
そいつの中の卑しい部分が気高い波紋使いやジョナサンといるときに垣間見えると、罰が悪そうな、居づらいような表情をしていてとても愉快だった。黒に染まること、白で在り続けること。どちらにしても潔さというものが求められるのだということを知ったのだ。


時に太陽とは私の天敵と言ってもいい存在であるが、それは恐ろしいほどに平等だ。
王にも奴隷にも飢えた人にも肥えた人にも聖者にも罪人にも同様に照らすというのは、あるものには救いとなりあるものには死に至るほどの苦痛となるだろう。
しかし、太陽とは光の大元である。光は色を作り、我々の目は反射した光を色として見る。
もし太陽が照らす相手を選ぶことがあるのなら、太陽の下に出られない私にはきっと色は与えられないのだろうな。
色があるとは美しいことがあると言うことに他ならない。
美しい、と言えば、ただ一つの愛を貫いた人、エリナ・ペンドルトン。彼女は最初から最後まで美しく、気高く、ジョナサンただ一人を愛していた。それも少女のころから。

今思い出すと懐かしく思える。

それに比べて私は、幾色にも
塗れ、汚れ、煤けた汚い黒の側にいる。
いや、それは私が望んで成ったことなのに比べて僻むのはどうだろうか。全く…自分で自分が解らないな

それは置いておいて、美しくあるのは大変な労力を要するが、黒であるのが楽と言うわけでは無い。白黒どちらにしろそれぞれに相応する正しさを振り絞り振りかざしているのだ。

私の中の白はもう死んでしまっただろうか。

白と黒の狭間で今日も私は。
海底の棺で独り
涙一つ、こぼしてみたりもした。
誰にも届くことの無い嗚咽は泡に混じって消えてしまっただろうか。


こんな海の底には光は到底届かない。光もないところに居ると、色を忘れてしまった。


私は少しばかり、眠ることにしよう






\(^p^)/
いつもながら何が書きたいのかわかりません。
一部も好きなんだよ

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