ジョジョ本棚

□勢いで
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ナラフー♀


「フーゴ、俺さ……フーゴのことが好きなんだ」


事の発端は30分前。
書類に煮え詰まり、ジョルノに貴女も少しは休んでくださいと言われラウンジに居たところからだったと思う。
そうだ、なんの前兆も無かったはずだ。
そこでお茶を飲んでいたら、ナランチャが入ってきた。

「よっ!フーゴ休憩?あ、ケーキあるぜー食う?」

食べる、と答えるとナランチャは冷蔵庫を開け白い箱からイチゴのショートケーキを二つ取り出し皿にのせた。

「勿論フーゴの好きなイチゴだぜ?」

にかっ、と笑って皿を持ってきた。
イチゴは僕の好物だ。
少し酸っぱくて、とても甘くて、口の中でグズグズに蕩けるような熟した奴が大好きだ。

「うーん……こっちだな!ほら、フーゴの」

「…どっちも一緒じゃない?」

「ちげーんだよ、ちょっとこっちのイチゴの方が熟してる」

僕の方のケーキを指す。

「フーゴ熟した奴が好きだろ?」
「…ありがとう」

何で僕の好みなんか知ってるんだろう。確かによくイチゴを買ってきて食べるけれど。それをナランチャがよくつまみ食いして僕が怒って何だかんだで一緒に食べて………あ、だから知ってるのか。思えば何時も一緒に食
べている気がする。

「食わねーの?」

「うわっ…食べるよ。ちょっと考え事してたんだよ」

フォークを持ったまま止まっていたら、いつの間にか隣に座っていたらしいナランチャが顔を覗き込んでいた。
僕が食べ始めると嬉しそうににこにこしている。というか、僕の顔を見ている。食べづらいんだけど。

「…なんだよ人の顔見てにやにやして」

「いや、好きだなーと思……ってうわぁぁぁぁあ!今のナシ!聞かなかったことにしてくれよ!」

いきなり一人で騒ぎ始めた。のはいいとして、さっきなんていった?好きだなって、僕?え、あ、うわ
ぶわっ、と顔が赤くなったのが自分でもわかった。
それを見たナランチャが驚いたのか一層騒ぎ始めた

「うわーどうしようどうしよう!もっとカッコ良くなってから告るつもりだったのに!もう絶対ばれた、もう絶対フラれる。オレ絶体絶命だよォー」

フラれる、って僕にか!?あーもう五月蝿いな、落ち着け僕の心臓!ナランチャはテンパりすぎて頭を抱え込んで押し黙ってしまったが、僕も大概テンパっている。

お互いソファの端と端に座りながら、妙な沈黙が続いた。

「……フーゴ」

「な、何?」

「ごめん。こんな風に言うはず
じゃなかったんだよ。だからもう一回ちゃんと言う」

え、と言うことはやっぱり今までの全部気のせいとか、勘違いとか、思い違いじゃないってこと、か?

「フーゴ、俺さ……フーゴのことが好きなんだ」

俺と付き合ってください。

改めて言われるとまた顔が熱くなる。嬉しいような、恥ずかしいような、もどかしい気持ちが溢れてきそうだった。
なんで、僕なんだろう。僕じゃなくても、ナランチャは本当は綺麗でカッコイイ顔をしてるから、選びようがあるだろうに。言葉遣いも女らしくない、こんな僕を何故好きになったのだろう。
あまりにも不可解だったので聞いてみた。

「そ、そりゃあ…可愛いし…」

なんだかモゴモゴ言っているけど聞き取れない。要領を得ない単語の羅列に、『可愛いし』しか解らなかったから、また顔が熱くなりそうだったけど、もうとっくに熱かった。

「ナランチャ」

未だモゴモゴ言っていたナランチャに呼び掛ける。

「僕も、好きだよ」

そのあとのナランチャのあわてふためきようと言ったら、これ以上ないほど面白かった。






\(^p^)/

〈オマケ〉
何だか騒がしい隣室に、心配そうなブチャラティと空気読めるアバッキオ↓
「騒がしいな、また喧嘩でもしてるんだろうか」

「いや、このままでいいと思うぜ」

「でも、止めに行かなくては」

「いいから放っとけって!」


お父さんな幹部もいいよね。
フーゴとナランチャはこれから年少組カップルとしてお父さんな幹部に暖かい目で見守られます。
紅一点フーゴかわいい。

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