リリカルな裏話
□第10話 それぞれの道
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カーテンの隙間から朝日が入り込み、室内を照らす
この部屋の主はまだ寝ているようだ
この幻想的な美しい空間で
主人は寝息をたてる
―主は美形なのですごく似合っていて腹ただしい
そんな主人の耳に無機質な機械音が響く
それは枕元にあるようだ
―ちなみにこれはアラームではない、では一体なにか?
「っつ・・・誰だ、よ」
目をうっすらと開け、眉間にシワを寄せ不機嫌そうにつぶやき
音の発信源である携帯へと手を伸ばした
そして画面を確認し、ため息をつき、応答した
「・・・・・もしもし」
「あ、おはよう!タクヤ君」
事件があった次の日の朝
この部屋の主、鬼崎タクヤは
幼馴染みの電話で目を覚ました