リリカルな裏話
□始まりの物語 一樹
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ー第177管理外世界 ディーダルズ
「グロフィスを探せ!」
「実験体もだ!」
それぞれがデバイスを展開し誰かを探している。
「一樹すまない。」
「いえ・・・」
30代前半くらいの男性が男の子に頭を下げている。
「ティール博士。これからどうするのですか?」
ティール博士ーティール・グロフィスーは少し苦しそうな顔をして
「君にはこの時空の歪みに飛び込んでもらう。」
そう言って足元の地割れを指さす。
「この歪みはどこか別の世界に必ず繋がってるから、大丈夫だよ。」
「・・・はい。・・・博士は?」
「僕は捕まらないように、頑張って逃げるよ。」
最後に頭を撫でて
「いってらしゃい。」
「・・・いってきます。」
互いに笑い合い、片方は時空の彼方に、もう片方は闇の中へと姿を消した。