リリカルな裏話
□始まりの物語 レイス
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ー第1世界 ミッドチルダ
「アリシア・・」
アリシアと呼ばれる人体ポットに入った少女に女性が語りかけている。
「失礼します。プレシアさん、レイスです。」
「レイス、よく来たわね。」
銀髪の少年、レイスは先程の女性、プレシアに呼びかけた。
プレシアはアリシアに向けていた視線をレイスへと移した。
「・・・クローンが出来たわ。」
「・・・!!」
その言葉にレイスは瞳を見開いた。
けどプレシアはその言葉を吐いてから何かのリミッターが外れたかのように、
心の奥にしまい込んでいた感情をぶちまけた。
「あれはアリシアじゃない。失敗作よ!なのに、なのに私は・・・・・・」
「プレシアさん!!」
「・・っつ!」
「落ち着いてください。」
レイスの声で我を取り戻し、ゆっくりとクローンのフェイトに対する気持ちを打ち明けた。
「アリシアみたいじゃないのよ、だけどね私はフェイトのことをーーーーー。」
「分かりました。」
少し聞いただけでレイスはその気持ちに気づいたらしい。
それから優しく、だけど決意に満ち溢れた瞳で
「僕がフェイトのこと守るよ。」
「レイスっ・・・私のかわりに・・・」
ごめんなさい、と言う言葉を遮るように
「僕の意思です、プレシアさん。約束するよ。この約束二人だけの秘密ね?」
「えぇ、約束ね。」
「任せてよ。僕強くなる。」
「・・・お願いね」