リリカルな裏話
□始まりの物語 タクヤ
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ー第97管理外世界 地球
「士郎頼む。うちの息子をお前のところで預かって欲しい。」
1人の男性が士郎と呼ばれる男性に土下座をしそうな勢いで頼み込んでいた。
その様子を彼の息子は無表情で見ていた。男の子の瞳に光は全く感じられない。
ただ真っ黒な闇だけが瞳の中にあった。
男の子をちらっと士郎は見て
「分かった、将人。この子を預かればいいんだな?」
「あぁ・・・すまない、頼む。」
それから男性はー将人はー息子に柔らかな笑みを向け
「タクヤ、この人は父さんの大親友の士郎さんだ。父さんと母さんは大事な仕事があっていつ会えるか分からない。だから、タクヤはしばらくの間士郎さんの家にお世話になるんだ、いいね?」
それから士郎は将人同様柔らかな笑みを浮かべ
「よろしくタクヤ君。僕は高町士郎だ。」
「・・・・・・・・・・よろしくおねがいします。」
「うん、こちらこそ。タクヤ君、お願いがあるんだけど。」
「・・・・?」
「僕の娘になのはって子がいるんだ。君と丁度同じ年でね?仲良くして欲しいんだ。してくれるかな?」
「・・・・(コクっ)」
「ありがとう。」
それからは士郎はさっきとは違い厳しい瞳を将人に向け
「何があったのかは聞かない。だが、この子をあまり待たせるな。」
将人は眉を下げて「…頑張るよ」とつぶやいた。
「行ってくる」
「行ってこい」
「・・・・(じっ)」
最後に不安そうに見上げるタクヤの頭をクシャっと撫でて将人は去っていった。
それを見送ってから
「タクヤ君、行こうか。」
「・・・・(コクっ)」
2人もその場を後にした。行き先はこれから先タクヤにとって大切な存在になる少女の元へ・・・