リリカルな裏話 A's
□第1話 再会、そして強き思い
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「今日か・・・」
冬の早朝に幼馴染みの家の前に立ち、1人呟く少年ータクヤ
半年ほど前、この町でとある事件があった
1人の少女は翼を手に入れ、その翼で悲しい目をした少女を救った
1人の少女は閃光の刃で、自らの新たな道を切り開いた
そんな2人の少女を中心に起こった事件
―ジュエルシード事件
―またの名をP.S事件
失ったものもあったが、それでも新たに手にしたものもあった
少女たちの間に絆が生まれた
「(いろいろあったな・・・)」
そんなことを考えながら、タクヤは白い息をはく
―タッタッタ
リズミカルな音をたてて、誰かが駆け寄ってくる
その音の方にタクヤは顔を向けた
「おはよう、タクヤ君」
「なのは、おはよう」
幼馴染みのなのはが、白い息を吐きながら満面の笑みで挨拶を交わした
それから、なのはは興奮したようにタクヤの手を握り走り出した
「おい!引っ張るな」
「だって、フェイトちゃん来てるかも知れないんだよ?」
「分かってる!そのくらい!俺は自力で走れんだ、手ぇ離せ!!」
「早く、早く!」
「だぁーもう!勝手にしろ!」
怒号をものともせず、グイグイ引っ張るなのはに、タクヤは無駄だと分かったのか、やけくそで走った
二人は賑やかに駆けて行った
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