夢の扉A
□プロロ〜グ
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20XX年8月12日の森の中。ある少女がい
た。そして、少女は口を開く。聞こえるか聞こ
えないかの狭間の声で。
「黒い蝶。コレは・・・」
黒い蝶。真っ黒く、全長は20cmぐらいの大
きな蝶。何にも、動かされない黒。そんな蝶を
少女は追う。何も考えずに。
「あ・・ッ!!」
少女が、気付いた時は遅かった。蝶がいた場
所、そこは空中。崖の上。
もぅ、終わりか?と少女が思った時。
刹那。そこは、音が鳴りやまない街の中。少女
は、道路の中央。
「こんなことなら、ちがう次元に・・・」
そんなことを、口走った刹那。
−そぅなの?
「ぇ・・?誰?」
チリン、という音と同時に聞こえた声。それ
は、確かに幼女の声。周囲には、車・・と、見
渡した時・・・
キキーッ!!!
「ッー!?」
今度こそ・・と、思った刹那。