ペルソナ4 小説

□授業中の勝負!
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「(お腹空いた)」




俺は頭の中でそうぼやいた。さっきから俺の可哀想な胃袋が泣いている…。
この授業が終わったら昼飯ってわかってんだけども!腹減った。




「ぬぅ〜……」




俺は腹をおさえながら机に突っ伏した。
こういう時ってさ…早く終われって思うと逆に遅く感じるし、腹減ったってわかっちゃうと意識しちゃうから余計腹減るんだよな。
人間って不思議ー☆じゃねえよ、俺!




俺はそのまま前に視線だけ投げ掛ける。


目の前には大人しく先生の話を聞く月森さんの背中。


月森ってすごいよな。
授業ちゃんと受けてるのか、見てみると目を開けながら寝てたり。
ノートちゃんと書いてるなーって見てもなんか訳のわからん魔方陣みたいのを書いた端にちょこっと月森のペルソナの名前書いてあったり。


授業実際受けてないのに成績は天城を越す学年トップ。授業中寝ていようが、いきなりあてられてもさりげなーくサラリと答えておまけに大正解しちまう。


なんなんだコイツは。


人間か?俺と同じ人間なのか?神か、神なんだろ?wもー。わからん。


そんで何故か完二レベルで女子力高くて。


料理出来る。裁縫出来る。子供大好き。菜々子ちゃん大好……皆そうか!


毎日貰う月森の弁当は自分で作ってるらしいけどあれがまた美味い。
美味すぎる。唐揚げ美味。てか全部美味なんだよな。男なのに…羨ましい。




おまけに運動も出来る。そりゃモテるよなぁ。バレンタインなんかもう凄いし。いいなぁ。


それにアイツ皆に優しいから…たまに…アイツの恋人として意見するなら…ちょっとヤキモチ…というか心配っつうか。
誰彼構わず笑顔振り撒くから、たまに心配になったり不安になったり、とまぁ…さまざま。
モテる恋人を持つと大変なんだよな…。




まぁ、相棒は浮気しないと信じてるからな!


あと…月森は実は。
変態だったりしちゃう。
あんなすました真顔でサラリと「女の子の黒タイツってエロいよな」とか「風に捲られて見えそうで見えないスカートの下ってなんだか際どくて良いよな」とか…アイツ、普通に言うからな。


まぁ、男は皆変態だって相場は決まってるんだ。別におかしいことじゃない。
うんうん。










…変態といえば。
アイツ、結構マニアックなセックスやらせるよな…///一番びっくりしたのは…そうだな…「マドラー」を使った…やつ。
何処でそんなん知ったんだろうな


月森、興奮すると目が充血するけどあの時も充血してたな、むちゃくちゃ…。






ってさっきから何を考えてんだよ、俺は!
腹減った。そう腹減ったんだよ!


顔を真っ赤にして月森から目を離してたまたま机の中に隠していた携帯がメールを受信したのか光っているのが目に入った。
誰からだろう、と開いて確認すると相手はまさかの月森サン。




え、月森サン?




さっきから後ろ、ずっと見てて身動き一つしてなかったのにメール打ったの!?すげぇ…。


感心してる場合じゃない、と頭を振りメールを確認する。本文はこうだった。




「陽介、好き」




ぅぉおい!!!///
いきなり何を申すか!
ヤベェヤベェ、顔熱い…沸騰しそう!


駄目だ、駄目。


ここで負けてはならない!これは…勝負なんだ!
よし、アイツを赤面させたら俺の勝ち。俺が沸騰したら俺の負け!






よし、戦闘開始ぃ!
(カーン!)






なんて打とうか。
アイツを赤面させる台詞…そんなんあるのか?w
よし、決めた。




「俺も好き、大好き」




…様子をみよう。
まずはこうシンプルに…




「…っく!」
「!?」




月森、撃沈。
え、ちょ、弱くね?!
月森サン机に突っ伏しちゃったよ!






†††††††




「バカ、陽介。あれ反則」
「なんでだよ?」




授業が終わるなり、月森は後ろを向いて俺を見た。
まだ顔若干赤いかも。


そう返せば月森は恥ずかしそうに口元を手の甲で隠して告げる。




「だってあれは陽介の反応見るために送ったのに、あんなん送るしストレートだったから流石に…」
「お…俺、試されてたんだなwてか俺沸騰寸前だったんだけど?」




思わず苦笑い。
でも月森の赤面美味しい。あれで飯食えるわ、俺。




「月森、腹減ったー」
「はいはい。今日は陽介の好きな唐揚げだよー」
「わーお母さん、神!」
「誰がお母さんだ」




ボディに一発パンチを食らったが痛くない。俺の頭の中は、もう月森でいっぱいなんだから!










授業中の勝負!
(月森の赤面見れるなら)
(これ…なんかクセになりそうだな…)






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