ペルソナ4 小説

□陽介HappyBirthday記念
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朝。
私は普通に朝を迎えた。
何の変鉄もない、朝を。

今日は良く晴れている。
太陽も…高く輝いていた。











「陽子、おはよー!」
「おはよ!」

朝。
やはり変わりはない。
何時もの私の日常がそこには広がっていて。
何時もの笑顔な友達も、そこには居て。

何時もの挨拶をかわして。


そして彼も。

「おはよう、陽子」
「…おはよ、孝介」

何時もの笑顔と挨拶で。
私の胸をざわめかせるの。



†††††

細井ちゃんの授業。
私は何時も以上に憂鬱だった

何故かな。
"何時も通り"に…何かを感じているみたいで。

別に何か特別なこと、無い。

だって今日も何時もと同じ格好だし。
何時もと同じメイクだし。

何も変わってないのに。
自分のことなのにわからないこの矛盾した気持ちはなんなんだろう…。

でもひとつわかるのは。




「(孝介に…何か言って欲しい気がする…)」




その何かは…結局わからないまま、私は授業を聞き流した。




†††††

何時もの昼食。
今日も孝介がお弁当を作ってきてくれた。
私は…一応女だけど、全く女子力というものがひとかけらも無いのだ。

だから料理とか作っても、卵焼きとかはどこぞのダーク●ターのように真っ黒になり。
どんなに頑張っても美味しいと思えるものが作れないのだ。

それを孝介が自負しているから、こうやって何時も作ってくれるのだ。
ありがたいけど、少しジェラシーしたりして。

「はい。今日は新しいメニューに挑戦してみました」
「えっ!…あ、これは…!」

早速受け取った弁当箱の蓋を開けてみる。
そして目に飛び込んで来たのは。

あの、有名な。




お弁当には定番な。





可愛らしい…




タコさんウインナーが…!


「可愛いー!」
「菜々子が教えてくれたんだ。そういえば作ったことなかったなって思って。」

ひとつ箸で摘まんで目前に持ち上げてまじまじと観察。
ちゃんと足がついてる…!

…これを…孝介…が。





朝、早起きして。
菜々子ちゃんと二人で。
タコさんウインナー。


…孝介が真剣に足をカットして、慎重に製作している可愛らしい画が浮かんで、私は吹き出した。


「あれ…変?」
「ちがっ、そんなんじゃないよ!可愛いよ!」


ひとつそしゃく。
もぐもぐ。


「んー…美味しい。愛を感じます」
「まぁ、たんまり込めてますから」
「あれ、突っ込まないんだ」
「え、ボケたの?」



「………いただきまーす」
「陽子ー?」



††††††

本日最後の授業。
柏木先生の長くて眠い授業。
私は教科書で隠して欠伸をひとつ溢して、ふと携帯が視界に入った。

「…?」

チカッ。
携帯が光った。
どうやらメールが来ているようだ。

先生になるべく見つからないように携帯を確認すると、相手は孝介だった。


本文はこうだ。



『今日、用事無い?』
『無いなら家に泊まりにこない?』
『叔父さん今日は居ないし』


まさかのお泊まりのお誘いだったので、私は一瞬ドキッとしてしまった。
…叔父さんが居ない、ということをわざわざ報告するということに、私はたじろぐ。

でも…今日、特に用事無いし

……。うん。

『大丈夫だよ。』

『久しぶりに菜々子ちゃんに会いたいし、行く!』

と本文に書き込み、送信して、私は少なからず何かを期待した私を哀れんだ。

「何を期待したんだか」

ボソッ。
小さい私の呟きは何処かに溶けて消えたのだった。




†††††

「菜々子ちゃん!久しぶりー」
「あ、陽子お姉ちゃんだ!」

玄関に入るなり、菜々子ちゃんが私を笑顔で迎えてくれた。
それが凄く嬉しくて。
私も笑顔になった。

可愛いなぁ、菜々子ちゃん。



少し菜々子ちゃんとまったりしたあとに、孝介の部屋にあがった。

「うん。変わらないね、孝介の部屋は」
「うん?」
「さてと…、健全な男子に必要なアイテムは何処にあるのかしら…(ギラッ)」
「はい、座っててねー」
「えー!!」

部屋を見渡して、私が目を輝かせると孝介はキラキラした笑顔で私を制止させた。いや、させられた。

つまんないの。
でもこう言うってことは、何処かにあるってことかな?…。





それから。
晩御飯をご馳走になって。
お風呂を借りて。(孝介が乱入しようとしてきたエピソードは敢えて語らない)

パジャマで、私は孝介と布団を並べてお話をしていた。





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