鬼
□かどわかし
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「お昼に約束しましたよね
おやつと夕飯はかならず一緒に食べるから、それまで大人しく部屋で遊んでるって」
「…っひっく
…だって…だって…ひっく…鬼灯さまといたい
ひっ1人でいるのやだぁ」
「ダメです」
「やだぁ…うあ゙ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゙ぁあぁ゙ああぁぁ」
「…はぁ」
けっきょく鬼灯が根負けした
幸い、この日の裁判はすべて終わって書類仕事だけ残っていたので
執務室のはじっこで大人しくしてることを約束させ連れていった
最初のうちは約束どおり大人しくしていたが、腹もふくれ鬼灯がいることに安心したのか
眠くなってきたようで、鬼灯の着物の袖をひっぱりグズりだした
「鬼灯さま抱っこ」
「ダメです」
「抱っこ」
「ダメです」
「う〜」
「眠いなら部屋に戻って寝なさい
誰か呼んで連れて行ってもらいますから、ちゃんと布団で寝なさい」
「…鬼灯さまきらい!」
「嫌いで結構です
いま忙しいから邪魔しないで下さい」
「鬼灯さまのバカ!」
「はいはい」
相手にしてもらえなくて拗ねたのか、すみっこにいき床に座り込んだ
「…鬼灯さまのバカ
もう嫌い」
「……」
悪態をつきながらグズグズと泣いていたが泣き疲れたのか、いつの間にか眠っていた
部屋に連れていこうかと思ったが、目覚めた時に鬼灯がいないとまたグズグズと泣き出すに決まっている
かと言って床に寝かせたままだと体は冷えてしまうし、誰かに見られたら虐待してると勘違いされかねない
「…仕方ないですね」
眠るゆきを抱いて、仕事をすることにした
寝てる子どもと言うのは、体温が上がるのかとてもあたたかい
「湯たんぽ代わりにはなりますかね」