□ようこそ地獄へ
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ゆきは鬼灯に抱かれながら地獄に向かっている

「…ひっく…っひ…
…お菊ねえちゃん……」

「このお手玉を作ってくれたのが、お菊さんって方ですか?」

「…っひ
うん
お菊ねえちゃんが作ってくれた」

「そうですか
あなたのお姉さんですか?」

「ううん
ひっく
お菊ねえちゃんは、旦那さまのとこで働いてる女中さん
でもほんまのおねえちゃんみたいに、優しい」

とりとめのない会話をし、鬼灯はゆきの気を紛らわそうとしていた

「そうですか
ゆきさんは、旦那さまのとこに奉公に来ていたんですか?」

「うん
お母がね、ゆきが生まれてすぐに死んだんやって
それでね、旦那さまが引き取って世話してくれてたの」

「…ゆきさんも、みなしごだったんですね」

「鬼灯さまも?」

「そうです
私もあなたと同じみなしごです
でも私はあなたのように優しくしてくれる人などいなかった
ゆきさんが、羨ましいです」

「…鬼灯さま、家族いてないの?」

「ええ、ずっと1人です」

「…じゃあゆきが家族になってあげる」

「本当ですか?
それはうれしいですね
なら大人になったらお嫁にきてくれますか?」

「うん、ゆき鬼灯さんのお嫁さんになる!」

「では指切りをしましょう

指切り かねきり
高野の表で 血を吐いて
来年腐って 又腐れ
指切りげんまん 嘘ついたら 針千本飲ます
指切った
死んだら御免」

「約束ー(*´ω`*)」

「えぇ約束です
ゆきさんが大人になる楽しみにしてますよ」
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