ご夫婦の部屋

□マンネの成長と杞憂
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最近ふと思うことがある。

僕はグループの中の最年少で、昔から何かと兄さんたちに目を掛けられてきた。

僕には実の弟が一人いるけど、歳も離れてるせいもあって、僕がいつも面倒をみる側の立場だった。
それが、兄さんたちと出会って一緒に生活するようなって、立場は逆転した。

僕には一気に、四人の兄さんが出来た。

四人の兄さんはみんなそれぞれ個性的。
馬鹿騒ぎして遊びたいなーって気分の時には、バロ兄さんとサンドゥリ兄さんが飽きるまで相手をしてくれるし、甘えたいなーって時にはジニョン兄さんとシヌ兄さんが思う存分甘えさせてくれる。
もちろん、甘やかすだけじゃなくて、時には厳しく指導されることもあるけど、それは僕の事を思ってのことで、そういうのも僕は嬉しいし感謝している。

兄さんたちはみんなタイプは違うけど、優しくて面白くて頼りになって、大好きで大切な存在。

僕が病気になった時も、兄さんたちはみんな自分のことのように心を痛めて心配してくれた。

僕はそれが逆に辛くて、本当に申し訳なかった。
心配させたくない、迷惑を掛けたくない、そんな気持ちでいっぱいで苦しかった。

後になってそう告げると、あの普段は優しくて穏やかなジニョン兄さんが、珍しく声を荒げた。

『血は繋がっていないけど、俺たちは本当の兄弟だと思ってる。兄弟同士で病気なのがどうして申し訳ないことなんだ? それは申し訳ないことなんかじゃない。何でそんなバカなことを考えてたんだ』って。

その言葉を聞いた時、僕は感激のあまり目頭が熱くなったけど、涙は零さなかった。
だって、僕よりも、言ってるジニョン兄さんのほうが今にも泣きだしてしまいそうな顔をしてたから。
少なくとも、僕の目にはそう見えた。

ジニョン兄さんは泣きそうな顔をして、僕を叱ってくれた。

強くて、優しくて、繊細なジニョン兄さん。

そして、そんな兄さんを見てふと思ったんだ。

兄さんは、どうなんだろうって。

ジニョン兄さんは、リーダーでもあるし、一見ポジティブシンキングを絵に書いたような人で、あまり弱音を吐いたりもしない。
というか、いい意味でプライドも高いからそういう面はメンバーには見せないようにしているのかもしれない。
抱え込むタイプにも見えないけど、見せないだけで実は色々大変なんだと思う。


ジニョン兄さんが、もっと頼って欲しいと言ってくれたように、ジニョン兄さんにももっと僕を頼って欲しい、そう思うけど、やっぱりマンネの僕じゃ少し役不足なのかもしれない。

兄さんが辛い時、苦しい時、思い悩んでいる時、兄さんは誰にその胸の内を明かせばいいんだろう。

別に僕じゃなくても構わないんだ。

他のメンバーでもマネージャーでもいい。

兄さんの心の拠り所になるような存在がいれば。

そんな風に考えることができるようになったのは、僕がほんの少しだけ大人になったからだろうか。


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