短編
□謝りすぎ
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『ふっふっふ...』
ついに....ついに来ました!
私の時代!
今まで生きてた17年間...非リア充だった頃の私とはおさらばよ!
“彼氏と下校”なんて夢のまた夢だった...!が!今、こうして夢を実現できたわけで....
あぁ神様ありがとうございます!
「あの、すいません、大丈夫ですか?一人で笑ってるみたいですが....すいません...」
『ぅえっ!あ、うん!大丈夫だよ?』
あ、彼の名前は桜井良!
ただいまこの彼と下校中なのだよ!
良くんは桐皇高校バスケ部所属で試合中はホントかっこいいの!まぁシュートするたび「すいません!」って言うのがちょっと疑問だけど...
なんかもう弱いのか強いのかわからないよね〜(実際強いけどね!)
...というかピュアなのかもね。
つか...彼女の私にまで「すいません」ってやめてほしいよね。一応彼女だよ?すいませんはやめようよねぇ?堅苦しいし...ねぇ?
『....良くんさ...』
「はひっ!?すいません!」
『...あのさ、その“すいません”ってやめない?』
「あ...、すいません...」
『あ、いや、それ、やめよう?』
「すい.....あっ!すいません...!」
いやいや結局言ってるからね?すいませんって言っちゃってるからね?
というかここまで来ると流石にイラッとくるよね?
こういう草食系男子は嫌いじゃないけど...(むしろ好き。)
『もぅ...良くん!』
「すいません!?」
いやもう“すいません”が返事になってるじゃん!...なんてツッコミたい気持ちは抑えて話を続ける。
『あのさ....今度“すいません”って言ったら
別れるよ?』
「――――っ!!!?」
おっ、流石に効いたか?
口をパクパクさせて固まっている良くん
なんか....アホ面だなぁ....
「...ぅっ..」
『え?』
しばらくすると良くんの目からポロポロと大粒の涙がこぼれだした。
『....って!えぇぇェェェェ!!!?良くん!?』
「うぅっ....すい.....ごめんなさい....直しますから...グスッ...ふぇぇ」
『......』
かっ....
かわいいなァァァァァァこのやろォォォォォォォ!!!///
ちょ、そんなに嫌なのか!
そんなに泣くほど別れるのが嫌なのか!
“すいません”がダメだからって“ごめんなさい”に変えたとこが何か可愛い!
あぁあああじゃなくて!
『じょっ、冗談だよ!私だって別れたくないよ!』
「....ホント、ですか...?」
『うんうん!大好きだよ!』
そう言うと彼は涙を拭くと満面な笑みを浮かべ
「すいません!ありがとうございます!//」
何て言うから
仕方なく
許してしまう。
『ほら、じゃあ帰ろ?』
結論...
「はいっ!」
草食系男子はやっぱり可愛い!!←
*end