短編
□名前
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誠凛高校バスケットボール部
私はここで副マネージャーをやっている。
二年生になりクラス替えをし、まぁ当然友達と同じクラスになることが出来ず、一人暇してスポーツ雑誌を読んでいた。
昔から運動したりするのが好きで、いつしかスポーツに興味を持っていた。
その中でもバスケが一番好きだった。
あんな遠くからゴールに入るとか、3Pシュートがかっこよくて...
『3Pかっこいいなぁ...』なんて雑誌読みながら呟いていると「生で見てみない、3P!」なんて急に誘われて....。
そんなの断れるわけもなく、現在に至ります。
誘ってくれたのは同じクラスの相田リコちゃん。現バスケ部の監督。
リコちゃんは可愛くてしっかりしてて今となっては私の大切な友達。
友達の私でも憧れる存在なの。
現在部活練習中、体育館のベンチで皆の練習を観察していると
「名前、育てるって楽しいでしょ?」
と、聞かれたもんだから、
『うん...!皆一生懸命だし...ホント神ゲーだね!』
と、答えた。
「あ、うん。そうね」
でも流されたのは気にしない。
「カントクー!」
暫くすると、部員の中からリコちゃんを呼ぶ声が聞こえた。その声にドキっとしてしまう
「あぁはいはい....なにー?」
『あは、行ってらっしゃい』
...そう言って見送るものの...
とある気持ちが胸を締め付ける
「名前、どうした?」
名前を呼ばれふと顔をあげれば、心配そうに私の顔を除き込んでくる木吉くんがいた。
『(ダメだ私!しっかりしなきゃ!)ううん!何でもないよ!....あ!膝大丈夫?無理しないでね?』
「ん?あぁ、ありがとう、大丈夫だ...」
....それより、と私の頭を優しく撫で、
「何かあったか?」
と、優しい口調で聞いてきてくれて...
「言ってみろ、な?」
なんて、また優しく微笑むから
『うん...あのね...』
と、甘えてしまう
木吉くんは私にとってお父さんみたいな存在なの。