Not give me
□prologue 別に何も
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「ほ、本当に行っちゃうの?!」
「落ち着いて、由加梨」
目の前の今にも泣き出しそうな親友をたしなめるため声を発する
「何か言ってくれれば!相談にだってっっ」
うん。ごめんね
無理なの。それは
頼られることに慣れてしまった
「きゅーに、転校とかぁ・・・・っっ」
あーあ。由加梨泣きそう
「落ち着いたら連絡するから」
「っっでもぉ、」
あ。時間だ
腕時計をちらりと見ると、丁度出ようと思った時間になっていた
数少ない、それほど重みの無い荷物を掴み、前を向く
「じゃあね、由加梨。おばさんによろしく」
またくるからね、と付け足し、歩き出した
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