チョコッとstory
□誕生日
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それは寒い時期も終え、少し暖かくなってきた時の事だった。
色んな店を巡り、悩みに悩んで唸っている1人の女がいた。
「ゔ〜‥」
それはまるで何かに威嚇でもしているかのような目つきで、アクセサリーコーナーを見つめているのは 陽向。
「お客様、何かお探しですか?」
そんな陽向に話しかけるのは、この店の男性店員で いかにも何か探してますと言う態度をしている陽向だったので言ったのだ。
「あの、チョーカー欲しいんですけど‥」
「チョーカーですか。此方の商品なんかお勧めですよ」
そう言って店員はチョーカーのあるコーナーへと、陽向を連れて行けば店でお勧めのチョーカーを見せる。
しかしそれはキラキラと光っていて、光りすぎて陽向は気に入らなかった。
「もうちょっと大人しいのないんですか? あんまりキラキラしてるのは似合わないんで‥」
陽向は要望を言うと、店員はチョーカーを次々見ていくと1つをまた手に取った。
「では此方は如何ですか? シンプルで飾り気もあまりなく、お客様にお似合いですよ」
「あ‥私が付けるんじゃないんで‥」
店員は陽向自身が付けると思ったのだが、陽向はプレゼント用に選んでいたのだ。
この店はメンズショップ。
陽向は先程からメンズショップを巡り巡って、どれなら良いかと探し歩いていた。
いつもならプレゼント等、センスが悪いので相手に喜ばれることもないので、誕生日でもプレゼントなんて渡さなかった。
しかし今回は陽向にとって、大切な人と出会って初めての誕生日だから渡そうと思ったのだ。
だがブランド物はやはり高く、軽く1〜2万と超えていた。
「・・・・」
陽向は一度チョーカーにしようと決めてしまったので、他の物を見てもパッとする物が見つからなかった。
安い店も探したが、結局良い物が見つからず却下され続けた。