頂き物
□雅様相互記念
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「えぇ空じゃのぅ…。」
「そうですね…。」
さかのぼる事、一時間前。俺は唐突に錦先輩に呼ばれて河川敷にいる。天馬に悲しい目をされたが、俺は「大丈夫だ。」と言ってさっさと天馬から離れた。これ以上ずっとコイツといたら錦先輩と話すことが出来ない…。そう思ったからだ。
そして今の現状に戻る。先輩は何がしたいのだろうか。
「なぁ、剣城、おまんシードって知っちょるか?」
「っ…。」
「んん?どうしたんじゃ。」
「いっいいえ」
そう言った後、頭の中に後悔と言う文字が浮かび上がった。
京介は思った。
もし、錦先輩が俺のことシードだって知ったらどんな反応をするのだろうか。軽蔑するか…。
でも、俺のやってしまったことは許されないと分かっているつもりだった。
そんな俺でも、雷門の皆は俺を受け入れてくれた。その時、俺は嬉しかった。溢れ切った感謝の意も添えて。
だけど、日が経つにつれ俺は恐怖を感じた。
まだ、この事を怒っている奴がいるかもしれない。赦されていない。
恐怖心が高まるにつれ、頭が痛くなった。
「顔が青いぞ?どうしたんじゃ。」
「いっいいえ。ちょっと、不安で仕方がなくて…。」
「その不安とはなんじゃ?」
「怒りません?」
「勿論だとも。」
俺は話した。
自分がシードだったと言う事。
過去にやった過ちが不安に感じること。
その不安が自分に圧し掛かっていると思って居る事。