長編

□VS 海王学園
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月曜日


キィー ガチャン…



「あら?おはよう剣城君。朝練かしら?」

「あっ、はい。おはようございます岩下さん。」

「いつも大変ねー。
そう言えばこの前の…えっと帝国学園だったかしら?試合見たわよ!すごかったわね!これからも頑張って頂戴!おばさん応援してるわ!」

「あ…、はい。ありがとうございます//」

「いってらっしゃい」ニコッ

「…いってきます//」



相変わらずあの人は明るくていい人だなと、となりの家に住んでいる岩下さんをみてそう思う。挨拶するのは照れ臭いがあの人の性格は親しみやすいから少しは楽だ。悪い気もしない。

なんて、いつも思うことを今日も思いながら、俺は低血圧で重い体を引きずって家を出た。…眠い。
だからと言って、学校をさぼるわけにもいかないからな…、それ以前に朝練はさぼれない。

っといっても………。
そう思って俺は携帯の画面を開き時間を確認する。

画面には『6:04』とうつっている。
この前も思ったが、もう少し遅く家をでてもいいかもしれない。
学校には二十分くらいでつくし、今日みたいな平日の朝練は7時からだからいいが、土日は8時からだ。
練習の一時間以上前はさすがに早すぎかもしれない。まぁ、遅刻するよりはいいんだが……。


そんな呑気なことを考えながら、俺は途中でコンビニに寄った。理由は昼御飯の調達。いつもは自分で作るんだが、今日はご飯を炊き忘れてしまった。…ついでにカフェオレも買っていこう。
どうでもいいが俺は甘党だ。辛いものとかも普通の奴等よりはいけるが甘いもののほうがうまい。
朝練が終わってから、エネルギー補給の代わりにのむことにしよう。

レジにいる店員にお金を払って、釣りを受けとる。

「ありがとうございましたー!」

店員の明るい声をききながら、俺はコンビニをでた。

そしてしばらく歩くと、学校の校門が見えてきた。

「あっ!剣城だ!」

「おはよー!」

突然の声に振り向くと同時に体にのしかかる体重。いきなりのバランスの変化に体がついていくわけもなく、俺達はそのまま地面に倒れ込んだ。

ゴンッ!

「いってー……。」

「うわぁ!ご、ごめん!」

「 だ、大丈夫?凄い音したけど…。」

「…あぁ、なんとか…。つか重い。降りろ。特に松風。」

「えっ!?俺?」

「お前のほうが重いだろ。いいからさっさとどけよ。」

「あっ…、はい。」

「ごめんねー剣城。大丈夫?」

松風が降りたあとに、西園がピョンと俺の上から降りた。


グシャ…


「「「え?」」」


おそるおそる音のした方を向く。西園の足元には、俺の昼御飯が入ったコンビニ袋。

「うわ!?ご、ごめん!中身大丈夫?」

そういわれたので、西園がどいたあとに俺は中を確認する。
……無事なのはカフェオレだけか。パンとおにぎりは潰れたな…。

「んー…。まぁこんくらいなら大丈夫だろ。」

「ほ、ほんと?ちょっと見せて…って、これのどこが!?」

「いいよ、飲み物は無事だったし。」

「でもこれ剣城のお昼じゃ……。」

「別に一食くらい抜いても死なねぇよ。」

「うー…。本当にごめん…。」ショボン

「だからいいって。」

「こんなところでなにしてるんだ?」

「「「うわ!?」」」

いきなり後ろから話しかけられたので、俺達は驚いてしまった。


「えっ!?なんだ!?」

「あっ…、キャプテンか〜。脅かさないでくださいよ。」

松風がそう言ったので、俺も後ろを振り返る。

「…おはようございます。」

「え?あっ、うん。おはよう。…でお前たちは校門前に座って何してるんだ?」


え?と思って周りを見渡す。
俺達は校門の前で座り込み話し合っているという状況だ。生徒もちらほらとだが登校してきている。生徒もだが、近所からの視線も痛い。
……最悪。

「あぁ…、ちょっとこいつらにタックルされて…。」

「タックル!?違う!朝の挨拶だよ!」

「お前の挨拶は人に飛び付いてのしかかることか!!」

「違うよ!つる…「いいからさっさとしないか。部活始まるぞ?俺は先に行くからな。」そんなー!キャプテン待ってください!」

「うぅ…。剣城本当にごめんね…。」

「えっ?あぁ、昼御飯か?だから別にいいって。気にしなくていい。」

「でも…。」

「俺がいいっていったら良いんだ。はやく朝練行くぞ。」

「…うん。」

……西園だいぶ落ち込んでるな。本当に気にしなくていいんだが…。

「……。」(ポスン ナデナデ

「わっ!?な、なに!?」

「…そこまで気にされたら俺が困る。」

「うっ…ごめ「謝られても困る。」はい…。でもなんかお詫びしたいよ…。」

「……じゃあさ。」

俺はそこで一度言葉をきって西園の目線に合うようにかがんだ。

「今の出来事忘れて朝練にちゃんと集中すること。そうしてくれるとありがたいんだが?」

「!…本当にそんなのでいいの?」

「あぁ。そんなのでいいから。だからもう気にすんなよ?」ニコッ

「!(わ、笑った!)…うん!わかった!」

「よし。じゃあ朝練行くか。」

「うん!…あれ?天馬がいない…。」

「さっきキャプテンについていってたから朝練やってるんじゃないか?」

「そんなー!天馬のばかー!おいてくなんてひどいよ!剣城行こっ!」グイッ

「ちょ!おい西園!危ないって!」

「いいからいくよ!」ダダダ…

まぁ元気になったみたいだしいいか。

こうして俺は西園に手を引かれて部室に向かった。着いたのは朝練が始まる十分前。他の部員たちは既に着替えてグランドに向かうところだった。
俺達も急いで着替え、グランドに向かった。
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