短編

□罰ゲーム?それとも…
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〜in 観覧車〜



観覧車は思っていたよりも空いていた。俺達はすぐに案内され、いまはかなり高い位置にいる。

松「わぁ!見てみて!海も見えるよ!」

剣「そうだな……ってかお前、はしゃぎすぎ。」

松「観覧車に乗ったの久しぶりなんだ!前に来たときは混んでてさ〜。」

剣「………俺も久しぶりだなぁ。最後に来たの……10年ぐらい前かな?」

松「俺も俺も!そのあとはサッカーにのめり込んじゃってさ〜!全然これなかったんだよね。」

剣「ふーん…、昔からサッカー馬鹿だったんだ。」

松「馬鹿じゃない!純粋にサッカーが好きなだけ!」

剣「たいして変わんねぇよ。」

松「違うんだい!」(バッ!

剣「わっ!?」

ダンッ!グラグラ……

剣「危ないだろ!落ちたらどうすんだ!」

松「落ちないよ!そんなやわなつくりしてないでしょ!」

剣「だからっていきなり飛び付くやつがあるか!」

松「剣城ならいいのっ!」

剣「なんだよそれ!?」

そんな感じで俺達がギャーギャーわめいていると、ドォーン!というおとが聞こえ、外が明るくなった。

剣「あ……」

松「え?なに……わぁ〜!」

剣城が窓の外をみて動きを止めた。不思議に思って俺も外をみてみると、そこには無数の花火が光っていた。

松「今度は本物……だよね?」

剣「あぁ…。そういえば今日は隣町が花火大会だったな…。」

松「……綺麗だね。」

剣「あぁ…。」

俺達はそのまま、観覧車を降りるまでずっと花火を眺めていた。






観覧車を降りた俺達は、帰りの電車もあるため、そのまま遊園地をでることにした。

松「花火綺麗だったね〜!」

剣「そうだな。……そういえば天馬。封筒の中身ってなんだったんだ?」

松「封筒……?あっ!忘れてた!」

俺は慌てて鞄にしまっていた封筒を取り出す。幸いにもしわくちゃにはなっていなかった。

松「なんだろう……あっ…。」

なかには『キーホルダー引換券』とかかれたチケットらしきものが二枚はいっていた。

松「えっとね…。『このチケットは園内にあるキーホルダー店でつかえます。』だって。キーホルダー店てどこ?」

剣「……あれじゃないか?」

剣城の指差した方向をみてみると、そこには確かに『手作りキーホルダー』と書かれた看板があった。

松「どうする?いってみる?」

剣「まだ時間はあるし…そうするか。」

俺達は帰るのをやめて、キーホルダー店にはいった。店の中には様々なキーホルダーがおいてある。

店「いらっしゃいませー。なにをお探しですか?」

松「すいません。ここってこのチケット使えますか?」

俺がチケットをみせると、店員さんがあら?と言って、俺からチケットを受け取った。

店「……もしかして、彼女さんをかばったっていう男の子かな?」

松「へ?そ、そうなの…かな?」

剣「園長さんからです、って迷子センターの人に貰ったんですけど…。」

店「じゃあ当たりだわ!園長さんから連絡があって、好きなのを選んで持ってていいよって。」

松/剣「「え!?」」

予想がのことに俺は頭が追い付かない。

松「い、いいのかな…?」

剣「うーん…。あまり高くないものにしておこう。たぶんあの人のノリだと、迷子センターと同じことになると思う……。」

そういわれて先程の店員さんをみてみると、確かにニコニコしながら、はやくはやくという感じでこちらを見ている。

俺達もお土産代がうくと思って、キーホルダーを選びばじめた。

剣「………俺はこれにする。」

そういって剣城が手に取ったのは、猫の形をした銀色のキーホルダー。目のところには、オレンジ色の石がはまっている。

松「かわいー!じゃあ俺は…これ!」

そういって俺は、猫のとなりに置いてあった、金色の犬の形をしたキーホルダーを手に取る。目のところには青色の石がはまっている。

松「じゃあこれでお願いします!」

店「あら。二人ともいいのを選びましたね!ありがとうございました!」

俺達は買ったキーホルダーを、それぞれ袋にいれてもらうと、今度こそと遊園地をでた。

剣「あの…さ。」

松「んー?なーに?」

剣「………やる。」

そういって剣城が、先程買ったキーホルダーを渡してきた。

松「え!?な、なんで!?」

驚いて剣城をみると、剣城は顔を赤くしながら言った。

剣「そ、その……えっと…。
お、俺よく猫みたいだって…言われるから、天馬に…俺の…か、かわりとして…持っててもらいたいって思って…////」

剣城はそういってうつむいてしまった。俺はしばらく意味を考えて、わかった瞬間に顔に熱が集まるのを感じた。

松「あ、ありがとう!大事にする!」

剣「おぅ…//」

松「そうだ!俺のもあげるよ!俺は犬みたいって言われるし!」

そういって今度は俺が剣城にキーホルダーを渡した。

剣「いいのか…?」

松「うん!これで離れてても、一緒にいられるね!」

剣「っ!//う、うん…///」

剣城は照れながらも、笑ってうなずいてくれた。俺はそれをみてえへへっと笑った。






色々あったけど、こうして俺達の初デートは幕を閉じた。





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