短編
□罰ゲーム?それとも…
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〜売店〜
松「どれがいいっかな〜。」
売店についた俺は、看板メニューを見て、剣城の好きそうなものを探す。
松「あっ、オレンジがある。これでいいかな?すいません!オレンジジュース二つください!」
店「はい、少々お待ちください。」
店員のおねえさんがそう言って、ドリンクを用意し始める。俺はその間に、もう一人の店員さんにお金を渡して、用意されたジュースを受け取った。
店「ありがとうございましたー!」
店員さんの明るい声を聞きながら、俺はジュースをこぼさないようにしっかりと持つ。蓋が閉めてあるから、少しぐらい揺らしても大丈夫だろう。俺は小走りで剣城のもとへと向かった。
松「えーっと…どこだったかな?たしかここらへん……。」
俺は剣城が休んでいる広場についた。だが景色はどれも似たようなので、俺は剣城を探して広場を歩き回った。
「…して…さいっ!」
松「!」
いきなり聞こえた剣城の叫びにもにた声に、俺は慌てて走り出した。
思っていたよりもちかくにいたようで、すぐに剣城が休んでいたベンチが見えてきた。ベンチから立ち上がっている剣城は、二人組の男に絡まれていた。
「おいおい。大きな声たてんなって。」
剣「人を待ってるんです!手を離してください!」
「暴れちゃってかっわいい〜!君みたいな美人を待たせてる奴なんかほっといてさ〜、俺達と遊ぼうぜ〜。」
そして男の一人が剣城の腰に手を当てて、グイッと引き寄せた。
剣「なっ!?は、離せ!」
剣城が暴れるが、もう一人の男に片手を掴まれていてうまく動けないらしい。
「うわぁ…。近くでみたらますます綺麗じゃん。キスしたくなるわ。」
そう言って男の顔が剣城に近づく。
剣「い…嫌だ……て、天馬ぁ!」
松「剣城から離れろっ!!」
ドンッ!
「うわっ!?」
「わっ!?」
俺は剣城を抱いていた男に思いきり体当たりをした。男はその衝撃で剣城から離れて、もう一人の男にぶつかる。そして二人揃って地面に倒れこんだ。
俺はつられて倒れそうになる剣城を抱き寄せて、俺の後ろに隠す。
「っう……こらガキ!何しやがる!」
松「俺の剣城に汚ない手で触んな!」
剣「て、天馬…。」
松「ごめん…やっぱり一人にするんじゃなかった…。」
「なんだよ。その子の彼氏さん?ちょうどいいや。その子売ってくれよ。」
松/剣「「!」」
「わかんない?買ってやるっていってんの。いくらほしい?」
松「ふざけるな!剣城は売り物じゃない!」
「うっせぇなぁ…。こっちはいろいろ溜まってんだよ。別に金出したら、男の一人、二人寝るだろ?」
剣「なっ…!そんなことするか!」
「ならやってみる?あんたなら美人だし、結構高値で買ってやるぜ?別に十万くらいなら払うよ?」
松「剣城は俺の大事な恋人だ!いくら払われたって売らない!」
「だからうるせぇよ…。いいからその女をこっちに寄越せ!」
そう言って男がいきなり殴りかかってきた。いつもなら避けるところだが、俺の後ろには剣城がいる。俺は殴られる覚悟で、その場から動かずに硬く目をつぶった。