短編
□罰ゲーム?それとも…
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〜遊園地 入口〜
松「うわぁー…。」
剣「人多いな……。」
遊園地についてまず目に飛び込んだのは、チケット売り場の長蛇の列。
松「チケットもらっておいて良かったね…。」
剣「あぁ。並んでたら時間が勿体なかったな。」
松「うん。じゃあなかに入ろうか!」
剣「……そうだな。」(ニコッ
そうして俺達は係員さんにチケットを見せて、なかに入った。その時に何人かの男達が剣城をちらちらと見ているのに気付く。
剣城が綺麗だからってわかるけど、俺はなんか嫌で、隣にいる剣城の手を握る。
剣「へ!?ちょっと松風!//」
松「いいじゃん。はたからみたら、恋人同士にしか見えないから大丈夫だよ。」
剣「うっ……き、今日だけだからな//」
松「うん!じゃあ、なに乗る?」
俺は係員さんから貰った地図を剣城に見せた。
剣「う〜ん…。まかせる。お化け屋敷以外ならいいや。」
松「あれ?怖いの駄目なの?」
剣「好きじゃない……。」
松「でもここのは檻のなかにはいって、あとは勝手にまわってくれるんだって。だからお化けとの距離はそんなにないよ?」
剣「うー……行きたいのか?」
松「うん!檻なら剣城の隣にいれるしさ!でも嫌ならいいよ?」
お化け屋敷とかはいいチャンスになるかもしれないが、剣城が本気で行きたくないところに、無理矢理連れて行く気はない。
剣城は結構長く悩んでいたが、やがて「たまにはいいか…」と了承してくれた。
松「よしっ!じゃあ行こう!お化け屋敷は……こっちだね!」
俺は剣城の手を引いて歩き出した。
剣城も最初は周りの目を気にしていたが満更でもないようだ。その証拠に、俺の手を振りほどくようなことはしない。
遊園地は少しばかり広くて、十分ぐらいして、ようやくお化け屋敷についた。
剣城の俺の手を握る力が強くなる。
剣「……やっぱり怖い…。」
松「どうする?別にやめてもいいよ?」
剣「が、頑張る……。」
剣城が小さくともそう言ってくれたので、俺は剣城の気が変わらないうちにと列にならんだ。
混んではいたが流れは早く、すぐに俺達の番になった。
係「おまたせしました。それではなかにどうぞ。檻からは手や足を出さないようにしてくださいね。それではいってらっしゃーい!」
ガタンと音をたてて、俺と剣城を乗せた檻が動き出した。剣城はやはり怖いのか、俺の腕にしがみついている。
松「大丈夫、大丈夫。ここにいるって。」
剣「そ、そんなのわかってる!でもこれは……(ウォー! うわぁぁ!!」
松「おぉ!」
剣城が喋っている途中で、剣城の隣の方から吸血鬼が現れた。俺は結構慣れているが、やけにリアルな作りでちょっとばかしビビった。
ガタンと、また大きな音をたてて、檻の動くスピードがはやくなった。
吸血鬼を合図に、様々なところからのっぺらぼうや貞子さんなどの妖怪が次々と現れた。
妖「ギャァァァァ!!」
剣 「うわぁぁぁぁ!!」
松「うわぁ!楽しい!」
剣「嘘だろ!?うわぁぁ!!」
松「あっ!見て見て!あそこに狐!」
剣「見たくないぃぃ!」
松「あははは!わーい!」
剣「あぁぁぁ!」
……………
剣(グッタリ
松「だ、大丈夫?」
剣「……やっぱり行くんじゃなかった。」
松「あはは…。でも楽しかったでしょ?最後に閻魔大王出てきたし。」
剣「言うなっ!あんなものおもいだしたくもないっ!」
松(よっぽど怖かったんだ……)
剣「はぁ…喉痛い…。」
松「結構叫んでたもんね〜…。なんか飲み物買いにいく?」
剣「動きたくない……。買ってきて。たしか、すぐそこにあったろ?」
松「え…でも一人で大丈夫?」
剣「体調が悪い訳じゃないし。」
俺が心配してのはそういうことじゃないんだけど……。
俺が悩んでいると剣城が早く行けとせかしたので、俺はしかたなく売店に向かった。