白の巻物
□《炭酸水》
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《ミヤギ＋アラシヤマ》
「ふぅ…」
息の詰まる仕事の合間に、アラシヤマは中庭へ出ていた。
昼間の太陽の光を浴びるのは久しぶり。
アラシヤマは大きく伸びをした。
「オメさがサボってんの、珍しいべな」
「…あんさんと違いますわ…息抜きどす」
背後から聞こえてきた声に、振り向き様ツッコミを入れる。
「オラだって息抜きだべ」
そう言って、ミヤギは手にしているペットボトルを口へと持っていく。
「…なんやその…頭悪ぅなりそうな液体は…!?」
鮮やかな緑色の炭酸水。
お茶以外は口にしないアラシヤマは、怪訝な目つきでそれを見つめる。
「メロンの味がするんだべ」
飲んでみれ？…そう言って、ペットボトルをアラシヤマに渡す。
メロンて…こないいかがわしい色してへんわ。
そう思いながらも、せっかく渡されたのだから…と恐る恐る一口飲む。
「うめぇべ？」
「…うぇ…メロンの味なんて全然せぇへんわ…。ただ甘ったるいだけや」
顔をしかめて、ペットボトルを突き返す。
「この味がわかんねぇとは…。そんなんだからオメさ友達がいねぇんだべ」
ミヤギは喉を鳴らして勢いよく飲んだ。
「そないなこと関係あらしまへんやろ…。あんさんこそ、そないなもん飲んでたら、ますますアホゥになりますえ？」
いつものように憎まれ口を叩くミヤギとアラシヤマ。
間接キスになっていることは、まだ気付いていない…。