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□こっちを向いて、そして微笑んで【せんべ】
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俺、千石清純は今、愛しのマイハニーのいる氷帝学園に来ています!!
そして、今は衣替えの季節。最近蒸し暑くてたまらないよぉ・・・・。
「あ〜〜〜・・・あっつーい。」
独り言を言いながらチラリと横にいる彼を見てみる。
――――嗚呼、やっぱり彼は今日も綺麗だ。
白い白い陶磁器のような肌は光を受けて眩しいぐらいに輝いていて、
蜂蜜色のサラサラな茶髪に近い金髪は窓から入ってくる風にそよがれ、俺のもとへと甘い華やかな匂いが鼻をくすぐった。
――――香水かな・・・。上品な甘い匂い・・・。
ジッと見つめていると、俺の視線に気がついたのか、彼がこっちを向いた。
「どうしたんだ、千石・・・?」
そんな言葉と共に、彼は首をかしげながらキョトン、とした顔でこちらを見つめてきた。
「いや、跡部君はやっぱり綺麗だなぁって」
ニッコリと笑いながら言うと、彼は顔を真っ赤にして、馬鹿言ってんじゃねぇ!って怒った。
あ、やっぱり綺麗じゃなくて可愛いかも・・・。
うん、可愛い。
跡部君って誤解されやすいんだけど、本当は仲間思いで、責任感が強くて、才能があっても努力をおしまない。そして、どんな相手にも本気でぶつかって、相手の痛みはその人以上にわかってくれる。
あ、跡部君がそっぽ向いた。恥ずかしいんだね、可愛いなぁ・・・。
ついついニヤニヤしてしまい、自分でもどんだけ跡部君のことが好きなんだろうって思った。
嗚呼、でも彼の綺麗な瞳がみれないのは残念だな。青空の、いや、現代の汚れた空気の空じゃなくてもっともっと綺麗な空色の瞳。
彼の容姿の中で一番好きなところ。
無意識のうちに後ろから彼を抱きしめていたらしく、甘い香りがまた広がった。
「跡部君、こっち向いてくれないとキスができないよ?」
耳元で囁くと彼は茹でタコみたいに真っ赤になった。
少しずつだけど、こっちを向いてくれたからそのまま彼にあま〜いキスをした。
俺が微笑むと、彼も優しく微笑んでくれた。
まるで天使のようだよ・・・。
言おうと思ったけど、またそっぽを向かれるのは嫌だから、言わないことにする。
大好きだよ、愛しのmyハニー。