血鋼 -BLOOD-F-
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私は《古きもの》に襲われかけていた人間を助けた跡、文人を捜す為に街中を歩いていた。
…が、先程とは違い全く知らない土地。歩いても歩いても、日本人らしき容姿の者は居なかった。
と、その時だった。
私の後ろから、銃弾が飛んできた。私はそれをかわす。そして、撃ってきた者を睨み付けた。
「……何だ、撃ったと言う事はやられる覚悟が出来ているんだな。」
私はある呪いの所為で、人間を殺せない。だから倒すだけ…。命迄は取らない…ギリギリの所迄、痛め付けるだけだ。
「だっ、黙れ!今すぐその刀を降ろし、司令部まで同行してもらおうか!」
青い服の男は、身体中に血が付着した私に怯えているのか、震えながらそう言った。
「…断る、私にそんな時間は無い。」
私は、刀を構えた。